「瀬田3000系電車」の版間の差分

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瀬田電気鉄道の新しいフラッグシップとなるべく、新技術の投入と既存技術の融合を図って開発された車両である。デビュー時のキャッチコピーは「'''ミライの電車、先取りしました。'''」
瀬田電気鉄道の新しいフラッグシップとなるべく、新技術の投入と既存技術の融合を図って開発された車両である。デビュー時のキャッチコピーは「'''ミライの電車、先取りしました。'''」


[[瀬田電気鉄道瀬田本線|瀬田本線]]の線形改良及び一部高架化により高速運転が可能になったことから、その試験車両として2008年11月に試作編成1本が瀬田車両にて製造された。従来の台車を流用せず、完全新規の台車を採用するなど、野心的な設計のもと製造されている。
[[瀬田電気鉄道瀬田本線|瀬田本線]]の線形改良及び一部高架化により高速運転が可能になったことから、「高速運転による所要時間の短縮」・「最新機器の搭載による省エネルギー化」の2点に焦点を絞り、開発が進められた。当初から営業運転を行う試作車という位置付けであり、2200系のような大量配備は行われる予定がなかった。


営業試運転ののち量産される予定であったが諸問題により開発は中断され、しばらくは運用にもつかず車庫で放置される状態が続いていた。
2008年11月に試作編成3本(3099F・3096F・3090F)が瀬田車両にて落成<ref>瀬田電鉄、新車両3000系公開!【次世代の顔、内部に迫る】 西洋経済ONLINE</ref>。報道公開の後、三ヶ月ほど瀬田本線で試運転が続けられていた。また数週間ではあったが、乗客を乗せての営業運転も担っていた。


その後次世代型通勤型車両のテストベッドとして試運転が再開、3500系や2200系の瀬田電鉄用機器調整には役立ったものの、その設備の複雑さから運転手からも不評を買い、運用区間は常に一定せず、一カ月ごとにほかの車両基地を転々と渡り歩くという異例の運用が続いた。
しかし、当初求められていたほどの省エネルギー化は達成できなかったこと、また最高速度や起動加速度の引き上げのみでは所要時間の短縮には繋がらなかったこともあり、量産車の製造は中止されることとなった。
 
その後次世代型通勤型車両のテストベッドとして試運転が再開され、3500系や2200系の導入決定に伴う機器調整には役立ったものの、営業運転にはほぼ就くことはなかった。


そんな中、2014年に新型車両2200系の2次車導入に伴い、機器統一がなされ運転方法も簡易な3100系に完全に入れ替えられることとなり、3000系3編成も先頭車を入れ替えて塗装変更・機器変更することで、3100系の仕様とほぼ同じ規格に統一される改修工事が行われ、3190番台として3100系列に組み込まれることとなった。これをもって3000系列は完全に消滅した。
そんな中、2014年に新型車両2200系の2次車導入に伴い、機器統一がなされ運転方法も簡易な3100系に完全に入れ替えられることとなり、3000系3編成も先頭車を入れ替えて塗装変更・機器変更することで、3100系の仕様とほぼ同じ規格に統一される改修工事が行われ、3190番台として3100系列に組み込まれることとなった。これをもって3000系列は完全に消滅した。
突然の量産車製造中止の裏にはSRのS233系の配備であったとも噂されており、車体などの多くの共通点がある同形式<ref>2形式とも瀬田車両製造による設計・製造である</ref>の本格導入を嫌がったのではないか、という通説も流布されていた。しかし瀬田電鉄社長は2019年の記者会見において、「そのような事実はない」と否定している<ref>瀬田電社長「3000系は様々な理由により不採用」SR車関連の噂を否定 Ahoo!ニュース(2019年8月2日)</ref>。


=== 車体 ===
=== 車体 ===
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3000系の加速性能では、持ち前の最高速度の高さを生かす前に停車駅の為の減速をかけなければならないため、実質的に他の車両での運用とほぼ時間は変わらず、所要時間の短縮には至らなかった。そのため社内ではこれ以上の高速運用は不可能と判断され、3000系は次世代型通勤車両のテストベッドとされることとなった。<br>
3000系の加速性能では、持ち前の最高速度の高さを生かす前に停車駅の為の減速をかけなければならないため、実質的に他の車両での運用とほぼ時間は変わらず、所要時間の短縮には至らなかった。そのため社内ではこれ以上の高速運用は不可能と判断され、3000系は次世代型通勤車両のテストベッドとされることとなった。<br>
しかし製造元の瀬田車両では3000系試作編成の運用データを独自に解析し、それを基に加速性能の底上げを図った'''3050形'''を試作していた。この3050形は1編成が試作されたのち試運転を行わないまま[[水音車両]]に持ち込まれることとなり、試作剛体データおよび先頭形状、高速運転向け車両機器のデータ解析が行われたのち、後述の3100系が3000系の正式採用版として運用されることとなる。尚、[[瀬田車両製造]]では、この3000系をベースとした量産向け通勤車両'''2700形'''を独自に開発し、府舘地方のいくつかの鉄道へと納入している。現在も2700形は生産が続けられているが、3100系などに転用されたデータなどは使用されておらず、あくまでも独自に開発されたものであるとされる。
しかし製造元の瀬田車両では3000系試作編成の運用データを独自に解析し、それを基に加速性能の底上げを図った'''3050形'''を試作していた。この3050形は1編成が試作されたのち試運転を行わないまま[[水音車両]]に持ち込まれることとなり、試作剛体データおよび先頭形状、高速運転向け車両機器のデータ解析が行われたのち、後述の3100系が3000系の正式採用版として運用されることとなる。尚、[[瀬田車両製造]]では、この3000系をベースとした量産向け通勤車両'''2700形'''を独自に開発し、府舘地方のいくつかの鉄道へと納入している。現在も2700形は生産が続けられているが、3100系などに転用されたデータなどは使用されておらず、あくまでも独自に開発されたものであるとされる。


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