「鳥丘急行鳥丘北線」の版間の差分

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ところがこの短絡線を建設するにあたり、当線は'''またも'''線形変更を余儀なくされる。短絡線は当初、当線から栄京方面への接続のみを計画していたため、当線へは分岐器の設置のみで対応できると思われた。しかし検討の結果、当線から堅賀野線方面にも分岐が必要であると判断された。これは貨物列車の成沢駅迂回が必要であること、堅賀野線終端の[[築ヶ波貨物ターミナル]]が国際貨物も取り扱う一大物流拠点であること等が理由として挙げられる。<br>
ところがこの短絡線を建設するにあたり、当線は'''またも'''線形変更を余儀なくされる。短絡線は当初、当線から栄京方面への接続のみを計画していたため、当線へは分岐器の設置のみで対応できると思われた。しかし検討の結果、当線から堅賀野線方面にも分岐が必要であると判断された。これは貨物列車の成沢駅迂回が必要であること、堅賀野線終端の[[築ヶ波貨物ターミナル]]が国際貨物も取り扱う一大物流拠点であること等が理由として挙げられる。<br>
このため、背岡駅側から見て3方向に分岐するという、当初予定よりも大規模な短絡線を建設することとなった。しかし沿線は開発が進んでおり、多くの用地を捻出することはできなかった。また敷設される貨物新線は、はらやま駅から2km北方の堅賀野線を高架で分かれる計画であるが、他路線接続の関係から、はらやま駅以南は地下トンネル(高度54)とすることが決定されていたため、貨物新線側の高度を変更することもできなかった。さらに貨物新線および短絡線は営業列車の運行も想定され、沿線の開発状況から本数が増便されることも考慮して、短絡線は全方向複線・立体交差とすることが決定した。だが第四次計画の状態では建設困難なため、完工していた当線の線形を短絡線の線形に合わせて改築することとなった。皮肉なことだが、高速新線として勾配を抑制して建設したことで、改築によって立体交差部を生み出すだけの線形の余裕があったのである。<br>
このため、背岡駅側から見て3方向に分岐するという、当初予定よりも大規模な短絡線を建設することとなった。しかし沿線は開発が進んでおり、多くの用地を捻出することはできなかった。また敷設される貨物新線は、はらやま駅から2km北方の堅賀野線を高架で分かれる計画であるが、他路線接続の関係から、はらやま駅以南は地下トンネル(高度54)とすることが決定されていたため、貨物新線側の高度を変更することもできなかった。さらに貨物新線および短絡線は営業列車の運行も想定され、沿線の開発状況から本数が増便されることも考慮して、短絡線は全方向複線・立体交差とすることが決定した。だが第四次計画の状態では建設困難なため、完工していた当線の線形を短絡線の線形に合わせて改築することとなった。皮肉なことだが、高速新線として勾配を抑制して建設したことで、改築によって立体交差部を生み出すだけの線形の余裕があったのである。<br>
これにより、建設完了していたはらやま駅ホームおよび盛土を撤去し、前後の線形が大きく変更されることとなった<ref>はらやま駅 - 背岡駅間の立体交差部の路盤工事は、2021年6月4日から5日にかけて行われた。</ref>。はらやま駅は、丸江津方面ホームが地上階、瀬田方面ホームが2階という変則配置となり、これにより短絡線を全方向に立体交差で分岐させることができるようになった。だがこの関係で、はらやま駅で単線に収束することができなくなったため、成沢駅 - はらやま駅間の複線化も同時に行われた。このため、開業時点で単線区間は智美大島信号場以東を残すのみとなった。<br>
これにより、建設完了していたはらやま駅ホームおよび盛土を撤去し、前後の線形が大きく変更されることとなった<ref>線形改良はSR側による貨物線敷設計画の認可取得を待って着手されることになった。2021年6月3日に認可が下りたことを受けて工事開始。はらやま駅 - 背岡駅間の立体交差部の路盤工事は、2021年6月4日から5日にかけて行われた。</ref>。はらやま駅は、丸江津方面ホームが地上階、瀬田方面ホームが2階という変則配置となり、これにより短絡線を全方向に立体交差で分岐させることができるようになった。だがこの関係で、はらやま駅で単線に収束することができなくなったため、成沢駅 - はらやま駅間の複線化も同時に行われた。このため、開業時点で単線区間は智美大島信号場以東を残すのみとなった。<br>
成沢駅 - はらやま駅間の複線化は、開発済みの土地を避けつつ、極力既存施設を使用するよう設計された。成沢駅 - 中央線分岐点付近は従来線の西側(SR線寄り)に一線を線増し、中央線分岐点 - はらやま駅は、従来線の北東側に線増を行った。このため曲線の始終端がやや歪な線形となっている。いずれも盛り土を拡幅するよう工事されており、土盛側が旧線、コンクリートで固められた側が新線となっている。このため従来線の線形がわかりやすくなっている。<br>
成沢駅 - はらやま駅間の複線化は、開発済みの土地を避けつつ、極力既存施設を使用するよう設計された。成沢駅 - 中央線分岐点付近は従来線の西側(SR線寄り)に一線を線増し、中央線分岐点 - はらやま駅は、従来線の北東側に線増を行った。このため曲線の始終端がやや歪な線形となっている。いずれも盛り土を拡幅するよう工事されており、土盛側が旧線、コンクリートで固められた側が新線となっている。このため従来線の線形がわかりやすくなっている。<br>
なおはらやま駅について、社長の「最後の意地で、当初計画の面影は残したい」という意志により、駅舎は再利用されている。このはらやま駅舎に残された自動ガラス戸(現在は常時開放)は、普通列車到着時以外は旅客をホームに入れないために設置されたもので、当線がスーパー特急方式で計画され、160km/h運転を行う構想であったことを物語る数少ない遺産となっている。
なおはらやま駅について、社長の「最後の意地で、当初計画の面影は残したい」という意志により、駅舎は再利用されている。このはらやま駅舎に残された自動ガラス戸(現在は常時開放)は、普通列車到着時以外は旅客をホームに入れないために設置されたもので、当線がスーパー特急方式で計画され、160km/h運転を行う構想であったことを物語る数少ない遺産となっている。

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