飛鉄5100系電車
飛鉄5100系電車(ひてつ5100けいでんしゃ)とは、飛柁鉄道(飛鉄)が1955年から1976年まで運用した電車である。
飛鉄5100系電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 飛柁鉄道 |
製造所 | アスタ車両 |
製造年 | 1955年 - 1976年 |
運用開始 | 1955年 |
消滅 | 1976年 |
投入先 | 飛鉄線内(那富線・飛弥線を除く) |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成 |
軌間 | 1067 mm |
電気方式 | 直流1500 V・架空電車線方式 |
最高運転速度 | 110 km/h |
設計最高速度 | 135 km/h |
全長 | 18,900 mm |
全幅 |
車体基準幅2,800 mm 車体裾部幅2,700 mm |
車体 | 普通鋼製 |
台車 | FS-327A |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
制御方式 | 単位スイッチ式抵抗制御 |
制動装置 | 発電制動併用電磁直通制動 |
保安装置 | 飛鉄式ATS |
飛鉄では初めてカルダン駆動方式を本格採用した車両で、4両編成が12編成、合計48両が製造された。非冷房であったことと2扉車であったこと、櫻戸鉄道との直通運転がはじまることから1976年までに全廃され、一部の機器が3200系に流用された。
なお本項では、改良型として1957年に登場し、1976年に全廃された5300系とさらにその改良型として1960年に登場し、1996年に全廃された5400系についても記述する。
系統別概要
5100系
5100系は全長18,900 mmの普通鋼製車体で片側2扉の4両固定編成で2200系の置き換えのため登場した。この時置き換えられた2200系は那富線に転属された。登場当初は特急など優等種別で運用され、5400系や10000系の登場から普通や準急など飛鉄のすべての列車種別で運用されるようになった。
1975年に3200系を製造する際足回りを使用するため引退した。
車体
全ての車両が全長18,900 mmで車体幅は2,800 mmである。
車体は全鋼製で、水音車両の水音標準車体の裾を片側50 mmずつ裾絞りを施している。これによって建築限界の小さな路線にも入線できるようにしている。屋根上には通風換気用モニタールーフが設置された。
前面は当時流行を見せていた所謂湘南顔に似通ったものとなっており、非貫通型の2枚窓となっている。コストダウンを図って曲面ガラスは使用せず、すべて平面ガラスになっている。他鉄道事業者の湘南顔電車との差別化と運転時の日光によって目くらましに合わないよう大型のひさしが設けられている。
側面窓は2連で一組とした2段窓(上段下降・下段上昇式)とし、下段窓にはバランサーを装備して開閉しやすくした。
車体の塗装デザインはイエローに赤と白の帯を巻いたものとなっている。
車内
室内の配色については、下半分はライトグレー、上半分は淡灰緑色とした。
座席は転換クロスシートであるが、戸袋窓部分のみロングシートとしている。空調装置は送風機を設置している。
飛鉄5300系電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 飛柁鉄道 |
製造所 | アスタ車両 |
製造年 | 1957年 - 1976年 |
運用開始 | 1957年 |
消滅 | 1976年 |
投入先 | 飛鉄線内(那富線・飛弥線を除く) |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1067 mm |
電気方式 | 直流1500 V・架空電車線方式 |
最高運転速度 | 110 km/h |
設計最高速度 | 135 km/h |
全長 | 18,900 mm |
全幅 |
車体基準幅2,800 mm 車体裾部幅2,700 mm |
車体 | 普通鋼製 |
台車 | FS-327A |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
制御方式 | 単位スイッチ式抵抗制御 |
制動装置 | 発電制動併用電磁直通制動 |
保安装置 | 飛鉄式ATS |
5300系
5300系は車体長18,900 mmの普通鋼製車体で片側2扉の2両固定編成で2600系と一部の2730系の置き換えのため登場した。この時置き換えられた2600系は那富線に転属された。
1975年に3230系を製造する際足回りを使用するため引退した。
車体
全ての車両が全長18,900 mmで車体幅は2,800 mmである。
車体は全鋼製で、5100系同様に水音車両の水音標準車体の裾を片側50 mmずつ裾絞りを施している。これによって建築限界の小さな路線にも入線できるようにしている。屋根上には通風換気用モニタールーフが設置された。
5100系に続く高性能車を増備するにあたって、車体のモデルチェンジを行うこととなった。この際前面非貫通構造をやめ、非常用貫通扉を設けた特徴的な前面となった。
側面窓は5100系が2段窓だったのに対し一段下降式を採用した。
車体の塗装デザインはイエローに赤と白の帯を巻いたものとなっている。
車内
室内の配色についてはこちらも5100系同様、下半分はライトグレー、上半分は淡灰緑色とした。
座席は転換クロスシートであるが、戸袋窓部分のみロングシートとしている。空調装置は送風機を設置している。
飛鉄5400系電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 飛柁鉄道 |
製造所 | アスタ車両 |
製造年 | 1960年 - 1996年 |
運用開始 | 1960年 |
消滅 | 1996年 |
投入先 | 飛鉄線内(那富線・飛弥線を除く) |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成 |
軌間 | 1067 mm |
電気方式 | 直流1500 V・架空電車線方式 |
最高運転速度 | 110 km/h |
設計最高速度 | 135 km/h |
全長 | 18,900 mm |
全幅 |
車体基準幅2,800 mm 車体裾部幅2,700 mm |
車体 | 普通鋼製 |
台車 | FS-327A |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
制御方式 | 単位スイッチ式抵抗制御 |
制動装置 | 発電制動併用電磁直通ブレーキ |
保安装置 | 飛鉄式ATS |
5400系
5400系は車体長18,900 mmの普通鋼製車体で片側2扉の4両固定編成で
一部の2730系の置き換えのため登場した。飛鉄で初めて登場時から全車冷房装置を搭載した車両である。
飛鉄では最後の前面種別・行き先サボを使用する電車となった。
1996年までに4500系を製造する際足回りを使用するため引退した。
車体
全ての車両が全長18,900 mmで車体幅は2,800 mmである。
車体は全鋼製で、5100系同様に水音車両の水音標準車体の裾を片側50 mmずつ裾絞りを施している。これによって建築限界の小さな路線にも入線できるようにしている。屋根上には冷房装置が搭載されるため、通風換気用モニタールーフが設置されていない。
冷房装置を搭載することから熱絶縁のため、外板内部にはグラスウールやモルトプレーンと称するウレタンフォームなどの断熱材を用いている。
側面窓は5300系が一段下降式だったのに対し2段窓(上段下降・下段上昇式)としており、5100系と同じ仕様に戻ったが、窓ガラスはすべて熱線防止ガラスを使用し、空調装置を使用している際には閉じた位置でロックする機構を有する。
車体の塗装デザインはイエローに赤と白の帯を巻いたものとなっている。
車内
室内の配色についてはこちらも5100系同様、下半分はライトグレー、上半分は淡灰緑色とした。
冷房装置が搭載されていることから送風機は省略されている。
改造工事
列車連結装置の換装
飛鉄では1963年より5100系以降の車両の連結器を"自動連結器+ジャンパ線"から"柴田式密着連結器+電気連結器"の方式に変更することとなり、1964年までに5100系12編成、5300系8編成、5400系14編成が施工完了している。
他鉄道事業者への譲渡
5100系、5300系が1976年までに全数運用離脱し、走行機器を3200系、3230系に流用することになったが、車体の年数が古くても21年とまだ新しかったことから車体だけを譲渡することとなった。この際5100系のうちクモ5100形とクモ5200形の車体については使用しないためそのまま廃車となったが、モ5150形とモ5250形、クモ5300形、クモ5330形の車体が飛阪急行電鉄に譲渡された。
編成表
凡例:Tc - 制御車、T - 付随車、Mc - 制御電動車、M - 電動車
5100系
←新晃嶺 飛鉄柁岐→ | 製造
次数 |
落成年 | 運用離脱年 | ||||
パンタ配置 | ◇ | ◇ | |||||
形式 | クモ5100 | モ5150 | モ5250 | クモ5200 | |||
区分 | Mc | M | M | Mc | |||
車両番号 | 5101 | 5151 | 5251 | 5201 | 1次車 | 1955年 | 1972年 |
5102 | 5152 | 5252 | 5202 | ||||
5103 | 5153 | 5253 | 5203 | ||||
5104 | 5154 | 5254 | 5204 | ||||
5105 | 5155 | 5255 | 5205 | 2次車 | 1956年 | ||
5106 | 5156 | 5256 | 5206 | ||||
5107 | 5157 | 5257 | 5207 | ||||
5108 | 5158 | 5258 | 5208 | ||||
5109 | 5159 | 5259 | 5209 | 3次車 | 1957年 | 1976年 | |
5110 | 5160 | 5260 | 5210 | ||||
5111 | 5161 | 5261 | 5211 | ||||
5112 | 5162 | 5262 | 5212 |
5300系
←新晃嶺 飛鉄柁岐→ | 製造
次数 |
落成年 | 運用離脱年 | ||
パンタ配置 | ◇ | ||||
形式 | クモ5300 | クモ5330 | |||
区分 | Mc | Mc | |||
車両番号 | 5301 | 5331 | 1次車 | 1957年 | 1972年 |
5302 | 5332 | ||||
5303 | 5333 | ||||
5304 | 5334 | ||||
5305 | 5335 | 2次車 | 1958年 | ||
5306 | 5336 | ||||
5307 | 5337 | 1976年 | |||
5308 | 5338 |
5400系
←新晃嶺 飛鉄柁岐→ | 製造
次数 |
落成年 | 運用離脱年 | ||||
パンタ配置 | ◇ | ◇ | |||||
形式 | クモ5400 | モ5450 | モ5550 | クモ5500 | |||
区分 | Mc | M | M | Mc | |||
車両番号 | 5401 | 5451 | 5551 | 5501 | 1次車 | 1960年 | 1993年 |
5402 | 5452 | 5552 | 5502 | ||||
5403 | 5453 | 5553 | 5503 | ||||
5404 | 5454 | 5554 | 5504 | ||||
5405 | 5455 | 5555 | 5505 | 2次車 | 1961年 | 1994年 | |
5406 | 5456 | 5556 | 5506 | ||||
5407 | 5457 | 5557 | 5507 | ||||
5408 | 5458 | 5558 | 5508 | ||||
5409 | 5459 | 5559 | 5509 | 1995年 | |||
5410 | 5460 | 5560 | 5510 | ||||
5411 | 5461 | 5561 | 5511 | 3次車 | 1962年 | ||
5412 | 5462 | 5562 | 5512 | ||||
5413 | 5463 | 5563 | 5513 | 1996年 | |||
5414 | 5464 | 5564 | 5514 |