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{{鉄道車両|背景色=|社色=#cc5c60|文字色=white|車両名=宮鉄6200系電車|運用者=[[九ノ宮電気鉄道]]|製造メーカー=[[東住橋車輛製造]]|製造年=1974年 - 1985年|製造数=62両|投入先=[[宮鉄琴鐘線|琴鐘線]]<br/>[[宮鉄空港線|空港線]]|編成=6両編成<br/>4両編成<br/>2両編成|軌間=1067 mm|電気方式=直流1500 V・架空電車線方式|全長=20,000 mm|自重=27.0 t(Tc車)<br/>38.0 t(M1車)<br/>37.5 t(M2車)<br/>39.2 t(Mc1車)<br/>38.7 t(Mc2車)|最高運転速度=100 km/h|設計最高速度=120 km/h | {{鉄道車両|背景色=|社色=#cc5c60|文字色=white|車両名=宮鉄6200系電車|運用者=[[九ノ宮電気鉄道]]|製造メーカー=[[東住橋車輛製造]]|製造年=1974年 - 1985年|製造数=62両|投入先=[[宮鉄琴鐘線|琴鐘線]]<br/>[[宮鉄空港線|空港線]]|編成=6両編成<br/>4両編成<br/>2両編成|軌間=1067 mm|電気方式=直流1500 V・架空電車線方式|全長=20,000 mm|自重=27.0 t(Tc車)<br/>38.0 t(M1車)<br/>37.5 t(M2車)<br/>39.2 t(Mc1車)<br/>38.7 t(Mc2車)|最高運転速度=100 km/h|設計最高速度=120 km/h|起動加速度=2.5 km/h/s|台車=S型ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車<br/>FS-383|主電動機=直流直巻電動機<br/>MB-3072-B|駆動方式=歯車式平行可とう継手式|制御方式=電動カム軸式抵抗制御|制御装置=MMC-HTB-20N4|保安装置=0番台:ATS-K<br/>50番台:ATS-K・ATS-P・東賀型ATS・飛阪型ATS|減速度(常用最大)=3.7 km/h/s|減速度(非常)=4.0 km/h/s|全幅=車体基準幅2,800 mm<br/>雨樋間最大幅2,870 mm|全高=4,160 mm|車体材質=ステンレス鋼|主電動機出力=145 kW|編成出力=2,320 kW(6両編成)<br/>1,160 kW(4両編成,2両編成)|制動装置=電磁直通ブレーキ<br/>発電ブレーキ併用、抑速ブレーキ付き|歯車比=5.31 (85:16)|種車=MinatoCommuterTrain_D|画像=九ノ宮6200系電車-2.png|画像説明=宮鉄6200系 6509F<br/>(20xx年x月 琴鐘線のどこか)}}宮鉄6200系電車(みやてつ6200けいでんしゃ)は、[[九ノ宮電気鉄道]]の[[宮鉄琴鐘線|琴鐘線]]および[[宮鉄空港線|空港線]]で運用されている一般車両(通勤電車)の一系列。1974年(昭和49年)より製造された。基本的に南海6200系や泉北3000系と電装品などが共通という設定になっている。 | ||
発電ブレーキ併用、抑速ブレーキ付き | |||
編成単位は、一般的には九ノ宮方先頭車+F(Formation= | 編成単位は、一般的には九ノ宮方先頭車+F(Formation=編成の略)を編成名として記述し、6501以下であれば6501F、6551以下であれば6551Fとなる。編成両数を表す場合は九ノ宮方先頭車の後ろに両数を加えて6509×6R、また各車両を単独で表す場合はC#(カーナンバー)を用いてC#6201のような記述となる。 | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
琴鐘線の九ノ宮駅 - 宮鉄中町駅間および空港線の東住橋駅 - 関北空港駅間で使用される20m・4扉・オールステンレス車体の通勤電車である。 | |||
琴鐘線では「大運転」と称する平坦区間と山岳区間の直通運転に対応した、15m・2扉車体の[[宮鉄1201形|1201形]]、17m・2扉車体の[[宮鉄21000系|21000系]]などが使用されていたが、1960年代から平坦区間では沿線の住宅開発が進み通勤客が急増し、これらの大運転向け車両では輸送力が不足していた。このため1962年以降、琴鐘線の平坦区間である九ノ宮駅 - 四日市町駅間には、山岳区間向け装備を省いた20m・4扉の通勤電車として[[宮鉄6000系|6000系]]・[[宮鉄6100系|6100系]]、準山岳区間である四日市町駅 - 宮鉄中町駅間には、同区間限界の長さである18.9m・3扉車の通勤電車として700系・800系を投入してきた。 | |||
前述の15m車両は昇圧を機に琴鐘線から全車引退したが、1971年の空港線の部分開業による利用客の増加、将来的な四日市町駅 - 宮鉄中町駅間の大型化に対応した20m車のさらなる車両増備が必要な中で、長編成化による運用適正化の観点から、車体構造や電装品を見直しコスト低減と経済効率の向上を図ったのが本系列である。 | |||
== | == 車両概説 == | ||
車体は6000系以来のオールステンレスで、軽量化が図られた。6000系・6100系はそれぞれ角の取れた丸みのある前面形状であったが、本系列では新たに三面折妻構造を採用して直線的なデザインとした。前面貫通扉上部に方向幕を設置し、前照灯は左右両側の窓下に下げられたため以前の車両からは顔つきが大きく変化したものとなった。ただし本家の[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%B5%B76200%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A# 6200系]や[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C%E9%83%BD%E5%B8%82%E9%96%8B%E7%99%BA3000%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A 3000系]とは異なり、体格向上に併せて客用扉の高さが1,800mmから1,860mmに、側面窓の大きさも850mmから900mmに変更されている。 | |||
編成は従来のM-Tの2両ユニット構成を見直し、M1-M2で1組となる電動車ユニットを1組または2組を制御車で挟み込むというMM'ユニット構成となった。これにより6000系・6100系の制御装置1基で4台の主電動機を制御する1C4M方式から、本形式では同8台を制御する1C8M方式が採用され集約化が図られた。制御方式は抵抗制御を踏襲しているが、超多段制御から一般的な多段制御(日立製作所製MMC-HTB-20N4)に変更されている。主抵抗器は将来の四日市町駅以南の連続急勾配区間への乗り入れを考慮して、抑速ブレーキの連続使用に対応した大容量のものを採用し、これをM1車は山側のほぼ全てに、M2車は山側の半分ほどに搭載した。 | |||
補助電源装置や電動空気圧縮機の補器類についてもM2車に1機搭載へと集約し、性能も4両分を賄えるものに増強されている。 | |||
台車はパイオニア台車を装備して製造された6000・6100系と異なり、S型ミンデン台車(住友金属工業製FS-383)が採用された。 | |||
冷房装置も6100系の分散式×8基から集約分散式の三菱電機製 CU191型(冷房能力 10,500kcal/h)×4基に変更された。 | |||
== 車種構成と変遷 == | == 車種構成と変遷 == | ||
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・モヤ6551形(偶数) - 制御電動車 (Mc2) | ・モヤ6551形(偶数) - 制御電動車 (Mc2) | ||
モハ6201形およびモヤ6551形は同形式の奇数車と偶数車をペアとして組成するMM'ユニット方式である。奇数車であるM1車に主制御器とパンタグラフといった主要機器を、偶数車であるM2車に電動発電機や電動空気圧縮機といった補器類を搭載し、このM1-M2のMM'ユニットが揃うことで初めて運行上必要となる機器が揃う。 | |||
=== 製造車両 === | === 製造車両 === | ||
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: 6523 - 6233 - 6234 - 6524 (1983年6月24日竣工) | : 6523 - 6233 - 6234 - 6524 (1983年6月24日竣工) | ||
: 6525 - 6235 - 6236 - 6526 (1985年8月8日竣工) | : 6525 - 6235 - 6236 - 6526 (1985年8月8日竣工) | ||
== 改造工事 == | == 改造工事 == | ||
=== 先頭車化改造 === | === 先頭車化改造 === | ||
1999年に電気機関車の老朽化に伴う代替用の牽引車として、6517Fから中間車4両が捻出され2両編成2本に改造された。車両番号は新たに50番台が付番され、形式称号は職用車を表す'''ヤ''' | [[ファイル:2024-10-22 17.21.58.png|サムネイル|東賀鉄道瀬伏本線 八ツ塚駅 - 鉢崎駅間を走る6551F+6553F]]1999年に電気機関車の老朽化に伴う代替用の牽引車として、6517Fから中間車4両が捻出され2両編成2本に改造された。車両番号は新たに50番台が付番され、形式称号は職用車を表す'''ヤ'''に変更された。保安装置は甲種輸送用にATS-P([[伏戸旅客鉄道|JMR]]線)、飛阪型ATS([[飛阪急行電鉄]])、東賀型ATS([[東賀鉄道]])が増設された。 | ||
50番台編成の新旧対照は次の通り。 | |||
* モハ6225 - モハ6226 → '''モヤ6551 - モヤ6552''' | * モハ6225 - モハ6226 → '''モヤ6551 - モヤ6552''' | ||
* モハ6227 - モハ6228 → '''モヤ6553 - モヤ6554''' | * モハ6227 - モハ6228 → '''モヤ6553 - モヤ6554''' | ||
=== スカート取り付け === | === スカート取り付け === | ||
2009年2月ごろに6501F・6509Fにスカートが試験的に取り付けられた。のちに他の編成にも追加設置されたが、50番台は6551F+6553Fの2編成連結での運転が基本なことから、中間部となるC#6552とC#6553にはスカートが設置されていない。 | [[ファイル:九ノ宮6200系電車-1.png|サムネイル|スカートが試験的に取り付けられた6501F]]2009年2月ごろに6501F・6509Fにスカートが試験的に取り付けられた。のちに他の編成にも追加設置されたが、50番台は6551F+6553Fの2編成連結での運転が基本なことから、中間部となるC#6552とC#6553にはスカートが設置されていない。 | ||
=== その他 === | === その他 === | ||
1993年よりそれまでのステンレス無塗装であったものから、イメージアップのため前面貫通路の周囲に臙脂色の帯が、側窓の下部には柑子色と臙脂色の帯が追加された。また2000年代初頭からは補助電源装置のSIV化が進められており、2010年までに50番台も含めた全編成のSIV化が完了した。 | |||
== 編成表 == | == 編成表 == | ||
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| style="background-color:#F3F4F7; color:#202122;" |CONT, PT×2 | | style="background-color:#F3F4F7; color:#202122;" |CONT, PT×2 | ||
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|6514 | |6514 | ||
|1980年3月25日 | |1980年3月25日 | ||
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|6508 | |6508 | ||
|1977年6月27日 | |1977年6月27日 | ||
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|6519 | |6519 | ||
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|6526 | |6526 | ||
|1985年8月8日 | |1985年8月8日 | ||
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| style="font-weight:bold; background-color:#EAECF0; color:#202122;" |搭載機器 | | style="font-weight:bold; background-color:#EAECF0; color:#202122;" |搭載機器 | ||
| style="background-color:#F3F4F7; color:#202122;" |CONT, PT×2 | | style="background-color:#F3F4F7; color:#202122;" |CONT, PT×2 | ||
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| rowspan="2" style="font-weight:bold; background-color:#EAECF0; color:#202122;" |車両番号 | | rowspan="2" style="font-weight:bold; background-color:#EAECF0; color:#202122;" |車両番号 | ||
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* CONT:主制御器 | * CONT:主制御器 | ||
* PT:集電装置 | * PT:集電装置 | ||
* | * SIV:静止型インバータ | ||
* | * CP:電動空気圧縮機 | ||
== 運用 == | == 運用 == | ||
=== 6両編成・4両編成 === | === 6両編成・4両編成 === | ||
製造当初は琴鐘線九ノ宮駅 - | 製造当初は琴鐘線九ノ宮駅 - 四日市町駅間で使用されていたが、1992年11月10日のダイヤ改正で琴鐘線宮鉄中町駅まで、1994年6月15日のダイヤ改正で空港線関北空港駅まで入線可能となったため、現在では琴鐘線九ノ宮駅 - 宮鉄中町駅間と空港線全線で使用される。 | ||
かつては平日朝の空港線と直通する準急行・急行の10両編成の列車に本形式も使用されていたが、2005年10月16日のダイヤ改正で10両運転が廃止されたため、本形式も8両編成以下での運転となった。他このダイヤ改正では、2000系による宮鉄中町駅以北の運用の一部を代替したため、運用数が増加した。 | かつては平日朝の空港線と直通する準急行・急行の10両編成の列車に本形式も使用されていたが、2005年10月16日のダイヤ改正で10両運転が廃止されたため、本形式も8両編成以下での運転となった。他このダイヤ改正では、2000系による宮鉄中町駅以北の運用の一部を代替したため、運用数が増加した。 | ||
現在は4両編成、6両編成、8両編成の各列車に充当され、各駅停車から快速急行まで各種別の列車に幅広く運用されている。本形式の4両編成と6両編成には、九ノ宮方から4両目となる車両に女性専用車両ステッカーが貼られており、平日朝ラッシュ時の8両編成の上り急行・区間急行で運用される場合、この車両が女性専用車両となる。 | |||
=== 2両編成(50番台) === | === 2両編成(50番台) === | ||
職用車ではあるものの客室内の改造が必要最小限に留められていることから、基本的には4両編成の後部に連結され6両編成の各列車に区別無く充当されている。甲種輸送などが行われる日には2編成を連結した4両編成で運用される。組成は原則として九ノ宮方から6551F+6553Fと定められているが、組成変更前日の運用や入庫の順番によっては逆組成となる場合がある。 | |||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |
2024年11月21日 (木) 14:35時点における最新版
宮鉄6200系電車 | |
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宮鉄6200系 6509F (20xx年x月 琴鐘線のどこか) | |
基本情報 | |
運用者 | 九ノ宮電気鉄道 |
製造所 | 東住橋車輛製造 |
種車 | MinatoCommuterTrain_D |
製造年 | 1974年 - 1985年 |
製造数 | 62両 |
投入先 |
琴鐘線 空港線 |
主要諸元 | |
編成 |
6両編成 4両編成 2両編成 |
軌間 | 1067 mm |
電気方式 | 直流1500 V・架空電車線方式 |
最高運転速度 | 100 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s |
減速度(常用) | 3.7 km/h/s |
減速度(非常) | 4.0 km/h/s |
自重 |
27.0 t(Tc車) 38.0 t(M1車) 37.5 t(M2車) 39.2 t(Mc1車) 38.7 t(Mc2車) |
全長 | 20,000 mm |
全幅 |
車体基準幅2,800 mm 雨樋間最大幅2,870 mm |
全高 | 4,160 mm |
車体 | ステンレス鋼 |
台車 |
S型ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車 FS-383 |
主電動機 |
直流直巻電動機 MB-3072-B |
主電動機出力 | 145 kW |
駆動方式 | 歯車式平行可とう継手式 |
歯車比 | 5.31 (85:16) |
編成出力 |
2,320 kW(6両編成) 1,160 kW(4両編成,2両編成) |
制御方式 | 電動カム軸式抵抗制御 |
制御装置 | MMC-HTB-20N4 |
制動装置 |
電磁直通ブレーキ 発電ブレーキ併用、抑速ブレーキ付き |
保安装置 |
0番台:ATS-K 50番台:ATS-K・ATS-P・東賀型ATS・飛阪型ATS |
宮鉄6200系電車(みやてつ6200けいでんしゃ)は、九ノ宮電気鉄道の琴鐘線および空港線で運用されている一般車両(通勤電車)の一系列。1974年(昭和49年)より製造された。基本的に南海6200系や泉北3000系と電装品などが共通という設定になっている。
編成単位は、一般的には九ノ宮方先頭車+F(Formation=編成の略)を編成名として記述し、6501以下であれば6501F、6551以下であれば6551Fとなる。編成両数を表す場合は九ノ宮方先頭車の後ろに両数を加えて6509×6R、また各車両を単独で表す場合はC#(カーナンバー)を用いてC#6201のような記述となる。
概要
琴鐘線の九ノ宮駅 - 宮鉄中町駅間および空港線の東住橋駅 - 関北空港駅間で使用される20m・4扉・オールステンレス車体の通勤電車である。
琴鐘線では「大運転」と称する平坦区間と山岳区間の直通運転に対応した、15m・2扉車体の1201形、17m・2扉車体の21000系などが使用されていたが、1960年代から平坦区間では沿線の住宅開発が進み通勤客が急増し、これらの大運転向け車両では輸送力が不足していた。このため1962年以降、琴鐘線の平坦区間である九ノ宮駅 - 四日市町駅間には、山岳区間向け装備を省いた20m・4扉の通勤電車として6000系・6100系、準山岳区間である四日市町駅 - 宮鉄中町駅間には、同区間限界の長さである18.9m・3扉車の通勤電車として700系・800系を投入してきた。
前述の15m車両は昇圧を機に琴鐘線から全車引退したが、1971年の空港線の部分開業による利用客の増加、将来的な四日市町駅 - 宮鉄中町駅間の大型化に対応した20m車のさらなる車両増備が必要な中で、長編成化による運用適正化の観点から、車体構造や電装品を見直しコスト低減と経済効率の向上を図ったのが本系列である。
車両概説
車体は6000系以来のオールステンレスで、軽量化が図られた。6000系・6100系はそれぞれ角の取れた丸みのある前面形状であったが、本系列では新たに三面折妻構造を採用して直線的なデザインとした。前面貫通扉上部に方向幕を設置し、前照灯は左右両側の窓下に下げられたため以前の車両からは顔つきが大きく変化したものとなった。ただし本家の6200系や3000系とは異なり、体格向上に併せて客用扉の高さが1,800mmから1,860mmに、側面窓の大きさも850mmから900mmに変更されている。
編成は従来のM-Tの2両ユニット構成を見直し、M1-M2で1組となる電動車ユニットを1組または2組を制御車で挟み込むというMM'ユニット構成となった。これにより6000系・6100系の制御装置1基で4台の主電動機を制御する1C4M方式から、本形式では同8台を制御する1C8M方式が採用され集約化が図られた。制御方式は抵抗制御を踏襲しているが、超多段制御から一般的な多段制御(日立製作所製MMC-HTB-20N4)に変更されている。主抵抗器は将来の四日市町駅以南の連続急勾配区間への乗り入れを考慮して、抑速ブレーキの連続使用に対応した大容量のものを採用し、これをM1車は山側のほぼ全てに、M2車は山側の半分ほどに搭載した。
補助電源装置や電動空気圧縮機の補器類についてもM2車に1機搭載へと集約し、性能も4両分を賄えるものに増強されている。
台車はパイオニア台車を装備して製造された6000・6100系と異なり、S型ミンデン台車(住友金属工業製FS-383)が採用された。
冷房装置も6100系の分散式×8基から集約分散式の三菱電機製 CU191型(冷房能力 10,500kcal/h)×4基に変更された。
車種構成と変遷
本系列は以下の3形式5種で構成される。
・モハ6201形(奇数) - 中間電動車 (M1)
・モハ6201形(偶数) - 中間電動車 (M2)
・クハ6501形 - 制御車 (Tc)
・モヤ6551形(奇数) - 制御電動車 (Mc1)
・モヤ6551形(偶数) - 制御電動車 (Mc2)
モハ6201形およびモヤ6551形は同形式の奇数車と偶数車をペアとして組成するMM'ユニット方式である。奇数車であるM1車に主制御器とパンタグラフといった主要機器を、偶数車であるM2車に電動発電機や電動空気圧縮機といった補器類を搭載し、このM1-M2のMM'ユニットが揃うことで初めて運行上必要となる機器が揃う。
製造車両
- 6501 - 6201 - 6202 - 6502 (1974年11月22日竣工)
- 6503 - 6203 - 6204 - 6504 (1974年11月25日竣工)
- 6505 - 6205 - 6206 - 6506 (1977年6月27日竣工)
- 6507 - 6207 - 6208 - 6508 (1977年6月27日竣工)
- 6509 - 6209 - 6210 - 6211 - 6212 - 6510 (1977年7月11日竣工)
- 6511 - 6213 - 6214 - 6215 - 6216 - 6512 (1977年7月11日竣工)
- 6513 - 6217 - 6218 - 6219 - 6220 - 6514 (1980年3月25日竣工)
- 6515 - 6221 - 6222 - 6223 - 6224 - 6516 (1980年3月25日竣工)
- 6517 - 6225 - 6226 - 6227 - 6228 - 6518 (1981年8月25日竣工)
- 6519 - 6229 - 6230 - 6520 (1981年8月25日竣工)
- 6521 - 6231 - 6232 - 6522 (1983年6月24日竣工)
- 6523 - 6233 - 6234 - 6524 (1983年6月24日竣工)
- 6525 - 6235 - 6236 - 6526 (1985年8月8日竣工)
改造工事
先頭車化改造
1999年に電気機関車の老朽化に伴う代替用の牽引車として、6517Fから中間車4両が捻出され2両編成2本に改造された。車両番号は新たに50番台が付番され、形式称号は職用車を表すヤに変更された。保安装置は甲種輸送用にATS-P(JMR線)、飛阪型ATS(飛阪急行電鉄)、東賀型ATS(東賀鉄道)が増設された。
50番台編成の新旧対照は次の通り。
- モハ6225 - モハ6226 → モヤ6551 - モヤ6552
- モハ6227 - モハ6228 → モヤ6553 - モヤ6554
スカート取り付け
2009年2月ごろに6501F・6509Fにスカートが試験的に取り付けられた。のちに他の編成にも追加設置されたが、50番台は6551F+6553Fの2編成連結での運転が基本なことから、中間部となるC#6552とC#6553にはスカートが設置されていない。
その他
1993年よりそれまでのステンレス無塗装であったものから、イメージアップのため前面貫通路の周囲に臙脂色の帯が、側窓の下部には柑子色と臙脂色の帯が追加された。また2000年代初頭からは補助電源装置のSIV化が進められており、2010年までに50番台も含めた全編成のSIV化が完了した。
編成表
6両編成
←九ノ宮 | 関北空港/宮鉄中町→ | 竣工年月日 | 備考 | |||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | ||
形式・車種 | クハ6500
(Tc) |
モハ6200
(M1) |
モハ6200
(M2) |
モハ6200
(M1) |
モハ6200
(M2) |
クハ6500
(Tc) | ||
搭載機器 | CONT, PT×2 | SIV,CP | CONT, PT×2 | SIV,CP | ||||
車両番号 | 6509 | 6209 | 6210 | 6211 | 6212 | 6510 | 1977年7月11日 | |
6511 | 6213 | 6214 | 6215 | 6216 | 6512 | 1977年7月11日 | ||
6513 | 6217 | 6218 | 6219 | 6220 | 6514 | 1980年3月25日 | 東賀鉄道直通色ラッピング | |
6515 | 6221 | 6222 | 6223 | 6224 | 6516 | 1980年3月25日 | ||
6517 | 6225 | 6226 | 6227 | 6228 | 6518 | 1981年8月25日 | 1999年に中間車は50番台化 |
4両編成
←九ノ宮 | 関北空港/宮鉄中町→ | 竣工年月日 | 備考 | |||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | ||
形式・車種 | クハ6500
(Tc) |
モハ6200
(M1) |
モハ6200
(M2) |
クハ6500
(Tc) | ||
搭載機器 | CONT, PT×2 | SIV,CP | ||||
車両番号 | 6501 | 6201 | 6202 | 6502 | 1974年11月22日 | |
6503 | 6203 | 6204 | 6504 | 1974年11月25日 | ||
6505 | 6205 | 6206 | 6506 | 1977年6月27日 | ||
6507 | 6207 | 6208 | 6508 | 1977年6月27日 | 復刻仕様 | |
6519 | 6229 | 6230 | 6520 | 1981年8月25日 | ||
6521 | 6231 | 6232 | 6522 | 1983年6月24日 | 琴葉姉妹モチーフラッピング | |
6523 | 6233 | 6234 | 6524 | 1983年6月24日 | ||
6525 | 6235 | 6236 | 6526 | 1985年8月8日 |
2両編成(50番台)
←九ノ宮 | 宮鉄中町→ | 改造年 | 備考 | |
号車 | 1 | 2 | ||
形式・車種 | モヤ6550
(Mc1) |
モヤ6550
(Mc2) | ||
搭載機器 | CONT, PT×2 | SIV,CP | ||
車両番号 | (6225⇒)6551 | (6226⇒)6552 | 1999年 | 救援・入換・牽引用 |
(6228⇒)6553 | (6229⇒)6554 |
凡例
- CONT:主制御器
- PT:集電装置
- SIV:静止型インバータ
- CP:電動空気圧縮機
運用
6両編成・4両編成
製造当初は琴鐘線九ノ宮駅 - 四日市町駅間で使用されていたが、1992年11月10日のダイヤ改正で琴鐘線宮鉄中町駅まで、1994年6月15日のダイヤ改正で空港線関北空港駅まで入線可能となったため、現在では琴鐘線九ノ宮駅 - 宮鉄中町駅間と空港線全線で使用される。
かつては平日朝の空港線と直通する準急行・急行の10両編成の列車に本形式も使用されていたが、2005年10月16日のダイヤ改正で10両運転が廃止されたため、本形式も8両編成以下での運転となった。他このダイヤ改正では、2000系による宮鉄中町駅以北の運用の一部を代替したため、運用数が増加した。
現在は4両編成、6両編成、8両編成の各列車に充当され、各駅停車から快速急行まで各種別の列車に幅広く運用されている。本形式の4両編成と6両編成には、九ノ宮方から4両目となる車両に女性専用車両ステッカーが貼られており、平日朝ラッシュ時の8両編成の上り急行・区間急行で運用される場合、この車両が女性専用車両となる。
2両編成(50番台)
職用車ではあるものの客室内の改造が必要最小限に留められていることから、基本的には4両編成の後部に連結され6両編成の各列車に区別無く充当されている。甲種輸送などが行われる日には2編成を連結した4両編成で運用される。組成は原則として九ノ宮方から6551F+6553Fと定められているが、組成変更前日の運用や入庫の順番によっては逆組成となる場合がある。
関連項目
無いよ。
脚注
出典
一部のテキストについては以下よりクリエイティブ・コモンズ 表示-継承のもと利用しています。