神谷急行電鉄萩原通駅爆破事件

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神谷急行電鉄萩原通駅爆破事件(かみやきゅうこうでんてつはぎわらどおりえきばくはじけん)は、2009年(平成21年)12月16日に発生した電車爆破事件である。

神谷急行電鉄萩原通駅爆破事件
発生日 2009年(平成21年)12月16日
発生時刻 未明
場所 北上県神谷市東神区
神谷急行電鉄萩原通駅構内
運行者 神谷急行電鉄
事故種類 爆破事件
原因 不明
統計
列車数 1
乗客数 0
死者 0
負傷者 1
その他の損害 駅がボロボロだが、お前は?
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事件概要

2009年(平成21年)12月16日未明、神谷急行電鉄萩原通駅に停車中だった回送電車の5両目前寄りに仕掛けられていた爆弾が爆発。30分ほど時間をおいて5両目後寄りでも爆発した。この爆発による死者はなかったが、当該列車に乗務していた車掌[注釈 1]が爆発の衝撃で転倒し、顎部を2針縫うけがを負った。当該編成は神谷寄りの3両にわたって全損。高垣方面ホームも一部が崩落した。また、泊り勤務だった駅員1名がベッドから落ちて頭を打っている。

事件の捜査は困難を極め、捜査員は憤慨することとなった。

事件の詳細

事件の認知

12月16日4時28分ごろより、神谷市区総合通信指令室に「爆発のような音がした。萩原通のあたりだ」との110番通報が多数入る。指令を受けた県警自動車警ら隊機動捜査隊などが付近へ向かうも爆発の事実は確認できず、一度現場の捜索を打ち切る。
その後「自分は神急の車掌だ。萩原通駅で爆発があった」との通報があり、警察官が現場へ向かうも始発電車の前であり駅は開いていなかった。その後、5時ごろになって駅のシャッターが開いたため警察官が即座にホームへに駆け込んだところ2回目の爆発が起こった。安全のため爆発物処理班の出動する騒ぎとなり、早朝にも関わらず騒然とした萩原通には多数の野次馬・報道陣が詰めかけた。

すぐに東神警察署に県警・鉄警・市警による特別合同捜査本部が設置され、捜査が開始された。市警がハブられなかったのめずらしいね。

遺留品の数々

爆弾は手製のもので、遺留品から犯人の特定が容易と思われた。

新聞紙
爆弾を包んでいた。新日本通信神谷版であり、印刷のズレから矢田郡矢田町・橘町に配られたものと判明したが、販売所は特定できなかった。
紙袋
爆弾が入っていた。2つとも「水鉄百貨店」のものだった。
野球帽
神奈川県相模原市の木村工業製。1つ目の爆弾に被せてあった。犯人のDNAを検出できるかと思われたが、市警捜査員が被って遊ぶバカをやらかしたためできなかった。
ストール
2つ目の爆弾を覆っていた。犯人は着用していないものと思われる。こちらも市警捜査員が遊んでいた。何しにきたんだよマジ
腕時計
爆弾に取り付けられていた。それぞれ4時27分01秒と5時02分01秒で止まっており、爆発や通報の時刻と合致する。ブリスターパッケージで流通する大量生産品であり、購入者の特定はほぼ不可能である。
乾電池ホルダー
「間宮模型」のラジコンカー用。商品は10万個以上製造されたロットで各地の模型店に流通しており、購入者の特定はほぼ不可能。
火薬
市販の手持ち花火・吹出し花火などを分解し、火薬のみを取り出したもの。混入した紙片から全国のホームセンターで販売された「夏の思い出! 大花火大会セット」と判明したが、こちらも大量に流通しており、購入者の特定は難しいものだった。

帽子が有力な手がかりだったが、戦犯市警捜査員の不手際により鑑定が不可能となった。他は大量に流通するものであり、犯人につながる手がかりとは言いにくい。

車の発見

事件からおよそ2ヶ月後の2010年2月11日、全くの別件で発見された放置車から「火薬のみが抜かれた花火セット」が大量に発見される。この時すでに使用された火薬が花火用のものであることは判明しており、犯人の車と認定するのが濃厚とされた。

犯人車(銀カリーナ)
銀色のAT210型カリーナGT「神谷77す・・32」。神谷市水谷区石材町2の路地で発見。発見時ボンネットはまだ暖かくワイパーは動いたまま、トランクは開けっ放しであった。盗難車であることが後に確認された。

犯人車と思われる車両の発見により捜査本部は色めき立ち、すぐに緊急配備が敷かれたが成果は得られなかった。また車両の捜索も功を奏さず、捜査は再び暗礁に乗り上げた。

  • 爆弾を製造・運搬するにはやや不適切な車種選択であることから、捜査本部内では犯人による陽動や悪質ないたずらと見る向きもあった。

「匿名 厚志」のタレコミ

2010年6月ごろ、東神警察署に「匿名 厚志(アツシ)」を名乗る男から「カリーナの放置車は陽動」「本当の犯人車は(日産)ホーミーコーチ。ナンバーは神谷58て・325」という電話があった。すぐに裏付け捜査が行われたが、当該ナンバーの車は神谷市が保有している公用車のナンバーであり、車種も全く違うバン(サニーカリフォルニア)であることが判明。
悪質ないたずら電話かと思われたが、電話の内容に秘密の暴露があったことから捜査本部は電話の主が犯人グループもしくは犯人グループと親しい人物であると推定。電話のかけられた神谷市水谷区千早台の電話ボックスを中心に緊急配備やローラー作戦(周辺全住人への無差別聞き込み)が展開された。

  • この際、電話ボックスからほど近い県営地下鉄千早ヶ丘駅付近の検問所で「花火セットを大量に積んだ白のプロボックス」を捕捉したが突破される。すぐにナンバーを手配するもつけていたナンバーは盗難されたものであり、それ以来同じナンバーをつけた同車種が目撃されることはなかった。これが犯人の最後の足取りとなった。

駅の復旧

高垣本線は16日始発から速水 - 神谷間で運休。バスでの代替輸送を行った。18日には軌道敷の安全が確保されたため全列車が萩原通駅を臨時通過として全線運行を再開。およそ1ヶ月後の1月30日にはホームなどの復旧工事も終わり通常営業を再開した。この事件により神谷急行電鉄の2009年度決算に20億円の損失が出たとされ、新型車両5500系の投入も延期された[注釈 2]

注釈

  1. 当時27歳。事件後休職し高校教員に転職
  2. 後に事実上凍結された。