「瀬田3000系電車」の版間の差分

編集の要約なし
 
(同じ利用者による、間の2版が非表示)
47行目: 47行目:
基本的には2200系列と共通の部材を使用したステンレス製である。先頭車前面は繊維強化プラスチック (FRP) 製で、運転室から見て右側にオフセット配置された非常用貫通扉を有する。形状は2000系列と異なる特徴的なくさび形とされた。前照灯と尾灯は1500系や2200系に似た、窓下に横長のものが配置されている。
基本的には2200系列と共通の部材を使用したステンレス製である。先頭車前面は繊維強化プラスチック (FRP) 製で、運転室から見て右側にオフセット配置された非常用貫通扉を有する。形状は2000系列と異なる特徴的なくさび形とされた。前照灯と尾灯は1500系や2200系に似た、窓下に横長のものが配置されている。


車体配色は5000系列までの車両とは異なり、前面と側面窓上から屋根にかけて赤を配しており、色調も紅色(カーマイン)やマルーンに近いものとなっている。側面にはなぜか橙色が配されている。床面高さはレール面から1,130mmであり、レール面から1,100mmのプラットホームとの段差を低減している。
車体配色は2000系列までの車両とは異なり、前面と側面窓上から屋根にかけて赤を配しており、色調も紅色(カーマイン)やマルーンに近いものとなっている。側面にはなぜか橙色が配されている。床面高さはレール面から1,130mmであり、レール面から1,100mmのプラットホームとの段差を低減している。


冷房装置は能力61.05kW (52,500kcal/h) の集中式を屋根上に1基搭載する。装置内の電熱ヒーターおよびヒートポンプ式冷凍サイクルを活用した冬期の暖房や除湿も可能としている。
冷房装置は能力61.05kW (52,500kcal/h) の集中式を屋根上に1基搭載する。装置内の電熱ヒーターおよびヒートポンプ式冷凍サイクルを活用した冬期の暖房や除湿も可能としている。


前面と側面の種別・行先表示器はフルカラーLED式である。本系列では瀬田電鉄者としては初めて行先表示器もフルカラー式となった。ドア用車側灯のカバーの色は従来の車両の赤から無色透明となり、太陽光の散乱などによる誤認を防いでいる。
前面と側面の種別・行先表示器はフルカラーLED式である。本系列では瀬田電鉄の採用車両としては初めて行先表示器もフルカラー式となった。ドア用車側灯のカバーの色は従来の車両の赤から無色透明となり、太陽光の散乱などによる誤認を防いでいる。
 
 
 


実際のところ、瀬田本線以外は瀬田電鉄線内に限ってもカーブなど直線が続かない区間が多々あり、実際の試験運用では当初の予定の半分以下の結果しか出すことができなかった。これは線形の原因の他に3000系の加速性能の不十分さが問題であったといわれている。
実際のところ、瀬田本線以外は瀬田電鉄線内に限ってもカーブなど直線が続かない区間が多々あり、実際の試験運用では当初の予定の半分以下の結果しか出すことができなかった。これは線形の原因の他に3000系の加速性能の不十分さが問題であったといわれている。
114行目: 111行目:
}}
}}
=== 概要 ===
=== 概要 ===
3000系の剛体と運用データを基に水音車両にて製造された新製車であり、瀬田電鉄では2200系以来の新車導入である。ベースとなった3000系に基づいて拡幅車体は採用されず、編成の定員は減っているものの、拡幅車体では乗り入れられなかった地下線などの乗り入れを想定した設計となっている。2200系の後期車同様に当初から臨海鉄道への乗り入れに対応するが、投入時期が重なったことと、独自に投入準備を進めていた特急専用車の導入が間に合わなかったこともあり、関南地区の4社直通開始に合わせ、一次車は全車両が瀬田本線系統へと投入された。<br>
3000系の剛体と運用データを基に水音車両にて製造された新製車であり、瀬田電鉄では2200系以来の新車導入である。ベースとなった3000系に基づいて拡幅車体は採用されず、編成の定員は減っているものの、拡幅車体では乗り入れられなかった地下線および直通先の西京メトロなどの乗り入れを想定した設計となっている。2200系の後期車同様に当初から臨海鉄道への乗り入れに対応するが、投入時期が重なったことと、独自に投入準備を進めていた特急専用車の導入が間に合わなかったこともあり、関南地区の4社直通開始に合わせ、一次車は全車両が瀬田本線系統へと投入された。<br>
試作編成は湾岸線カラー(紫と赤のグラデーション)が採用された配色であったが、量産更新車の導入前に瀬田電鉄では新塗装の統一色が採用されたため、量産更新車はすべて2200系および2600系と同様のカラーリングとなった。将来的な増結、上位種別への配当などを踏まえ、編成の組み合わせを変更することによって瀬田電鉄では初めてとなる8両固定編成にも対応する。
試作編成は湾岸線カラー(紫と赤のグラデーション)が採用された配色であったが、量産更新車の導入前に瀬田電鉄では新塗装の統一色が採用されたため、量産更新車はすべて2200系および2600系と同様のカラーリングとなった。将来的な増結、上位種別への配当などを踏まえ、編成の組み合わせを変更することによって瀬田電鉄では初めてとなる8両固定編成にも対応する。また前述の通り、旧3000系もこの3100系同様の設備へと更新する改修が水音車両にて施された上で、試作編成として試運転されていたほか、正式導入時には量産車とともに瀬田本線へと配備されている。


一次車は6両固定編成が合計で4編成配備され、投入当初は箱重方面の急行として専用運用されていた。
一次車は6両固定編成が合計で4編成配備され、投入当初は箱重方面の急行として専用運用されていた。