中之平一夜城事件

　中之平一夜城事件は、2021年（令和三年）8月16日から17日にかけて、鳥丘県で発生した一夜城事件の一つ。中之平駅前の区画が、一夜にして跡形もなく作り直された事件である。
関係各所には建設認可資料が文書としては一切残っておらず、認可過程の真相は不明である。

事件概要

事件のあった中之平駅前には、ロータリーと2車線道路、それらを中心とする雑居ビルが建っていた。
8月14日から17日にかけては、戸辺交通を中心とする開発作業が行われており、中之平駅北口までその開発は及んだ。この際駅前の旧市街地は跡形もなく吹き飛び、再開発許可の根回しは区画が消滅した後のことであった。

背景

青は中之平駅、緑実線は戸辺交通モノレール線、水色は16日に消失した北区画、赤は16日夜から17日早朝にかけて消失した南区画。衛星写真は2023年1月撮影。

事件発生前日である8月15日に、戸辺交通による付近の再開発事業に関して認可が下り、計画段階では計画線の北部からSR横川駅付近までの開発計画が想定されていた。戸辺交通線とSR中之平駅はわずか200mの距離にあり、中之平駅から北100mほどまでSRによる市街開発がすでに行われていたため、戸辺交通は速度計旅客鉄道と交渉を行い、16日午後にSR当局者は「中ノ平駅までの開発を戸辺交通に許可する」と戸辺交通に伝達した。戸辺交通は2名からなる共同会社であり、この際SR当局者はそのうち片方の開発者とのみ連絡を行っていた。SR当局者の認識では旧市街地を残して戸辺主導の新市街と接続するというものであったが、これがもう一人の開発者に伝わっておらず、SR当局者が21時頃に衛星写真で確認した際には、すでに旧市街地が駅前ロータリー付近を含めた南半分を残して立ち退きさせられた後であった。なおSR当局者が確認する前に、別の第三者が解体を目撃していたことが明らかになっている。

発覚を受け、SR当局者は直ちに戸辺交通の窓口役に連絡し、この際窓口役はもう一人の開発者とうまく連携が取れなかったと証言している。SR当局者は北半分の復旧を断念し、旧市街北半分の開発も戸辺交通に要求し、受け入れられた。翌日の17日10時頃、開発を主導するもう一人の戸辺交通開発者からSR当局者に連絡があり、戸辺交通は前日残っていた南半分を含めた旧市街全域を再開発したいと打診した。これを受けSR当局者が衛星写真を再度確認したところ、昨日夜の段階では立ち退きを免れていた南半分も店舗一件を残して戸辺交通の手によって消滅させられており、再開発を拒否した場合、駅前の復旧や再開発をSRが負担せねばならない状況となっていた。SRは自力復旧を断念し、全域の開発を戸辺交通に一任した。

事件の原因

SR当局者の伝達ミスと誤解

SR当局者の認識では、事前に旧市街の再開発については容認せず、新市街と旧市街を接続するものと思い込んでいたが、交渉時に詳細に意思を伝えることを怠ったため、その意が戸辺交通に伝わっていなかったとみられる。鳥丘県では2年前にも建造物が建設者の許可を得ずに解体された例があったにもかかわらず、SR当局者は「個別に許可を出さなければ既存構造物が破壊されることはあり得ない」と考えており、類似事例の教訓が生かされなかったと嘆く声もある。

戸辺交通内の共有失敗？

戸辺交通とSRが随時連絡を取り合っていたにもかかわらず、2度にわたってSR当局者の意に反する開発が事後発覚しているため、また窓口役の証言から、戸辺交通内での共有が失敗しているという見方もある。しかしながら戸辺交通内での伝達内容が明らかになっていないため、検証は極めて困難とされる。

対応

最終的にSR当局者は事後的に戸辺交通の全域再開発を容認。旧市街地はファミレスを残しすべて再開発された。

関係者外からの声

倉太急行電鉄最高社長のたこたこは「きちんと沿線を開発すれば景観を守れるという時代は終わった」と述べ、完成された景観が簡単な手続きで撤去できてしまう現状に重大な懸念を示した。

脚注