「鶴急1000形電車」の版間の差分
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こうした環境下において、「環境負荷の低減」と「バリアフリー推進」をコンセプトとして、低コストを強く意識した地上線専用車両として登場したのが1000形である。 | こうした環境下において、「環境負荷の低減」と「バリアフリー推進」をコンセプトとして、低コストを強く意識した地上線専用車両として登場したのが1000形である。 | ||
==構造== | |||
===車体=== | |||
JMR231系を基本とした20m級車体4扉構造の軽量ステンレス車体である。また、車両床面高さを1,130mmとしてプラットホームとの段差を解消した。前面形状は運転台部分を車体中心部分まで拡大した、従来通りの左右対称構造とされている。<br><br> | |||
車体断面は車両限界、工法と広幅の雨樋の関係から台枠部から上に行くに従ってわずかに内側へ傾斜している。床下機器は基本的に車体横梁に直接吊り下げ、機器のつり枠を廃止して軽量化を図っている。一部車両の床下側面には非常用の折りたたみ式階段を設置した。 | |||
車外の車両番号(以下「車番」と記す)表記および号車札は、従来車ではステンレスのエッチング板方式であったものをシール式に変更し、号車札受けも廃止された。車側表示灯は、2基の白熱電球を縦に並べた電球式とした。 | |||
===車内=== | |||
車内はJMR231系を基本としたオールロングシート仕様であるが、客室内装は231系とは異なり、ペーパーハニカム材にアルミ板と高硬度アートテックやデコラ化粧板を貼り付けた複合材料を使用したものを新たに設計した。 | |||
客用扉鴨居部には鶴急初の液晶ディスプレイ式案内装置が設置され、TIP (Train Information system for Passenger) によって制御される。左側画面では「TERビジョン」として通常はおもにCMを放映するほか、異常時には路線図で支障区間の表示も行い、右側画面では通常は次停車駅、乗り換え案内、ドア開閉方向、駅ホーム設備案内などを表示するほか、異常時には文章で情報を表示する。<br><br> | |||
側面客用扉は接着式単板窓扉を採用し、車内側はステンレス無塗装仕上げである。ドアエンジンはベルト駆動による空気式であり、戸閉弱め機構を搭載する。連結面貫通扉は傾斜式のものが採用された。 | |||
側窓は熱線吸収・UVカットガラスを使用し、カーテン設置を省略した。車端部は固定式の単窓、ドア間は下降窓と固定窓のユニット式である。コストダウン・騒音低減のために妻面窓は廃止した。<br><br> | |||
座席前のつり革の高さは1,630mmを基本とし、一部(握り棒と握り棒の中間の位置)のものはユニバーサルデザインの一環として小柄な女性や子供・高齢者がつかまりやすいように従来より設置位置を100mm低くした1,530mmとしたが本数も増やしている。照明はカバーのない蛍光灯である。荷棚設置高さは3000系よりも20mm低い1,730mmとして、荷物の上げ下ろしを容易にしている。腰掛けは1人の掛け幅を450mmとした片持ち式バケットシートであるが、座面にSばねのクッションが入ったものとし、座り心地を改善している。<br><br> | |||
空調装置は、通勤用車両としては最大能力である61.05kW (52,500kcal/h) の集中式空調装置を搭載する。この装置はヒートポンプによる冷凍サイクルと電熱ヒーターにより暖房や除湿運転も可能なものである。空調装置はミ菱電機製と箱立製作所製のものが存在する。補助送風機は車内天井部のレール方向に1両当たり10台設置されている。 | |||
===乗務員室=== | |||
乗務員室内ならびに運転台パネルはいずれも濃い灰色の配色としている。 | |||
マスター・コントローラーはデッドマン付のT字形ワンハンドル式で、指定の速度域では「P3」もしくは「P4」位置から「P2」(力行2ノッチ)位置にハンドルを戻すことで定速制御が可能である。その際は運転台モニタに「定速」と表示される。速度計はアナログ(白地)式で、120km/hフルスケール表示仕様である。<br><br> | |||
運転室と客室の仕切りには前面窓と同じ配置で左から大窓・乗務員室仕切扉窓・小窓がある。このうち左側2枚の窓には遮光幕[19]が設置されており、また乗務員室仕切扉窓は開閉可能な落とし窓となっている。 |
2020年6月2日 (火) 22:24時点における版
鶴急1000系 | |
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1000形電車 | |
基本情報 | |
運用者 | 鶴浜急行電鉄 |
製造所 | 瀬田車両製造 |
製造年 | 2000年代 |
製造数 | 78 両 |
運用開始 | 2000年代 |
投入先 | 鶴急本線 |
主要諸元 | |
編成 |
6両固定編成 |
軌間 | 1067mm |
最高運転速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 3.3 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | RTMの非常はヤバイ |
編成定員 |
6両:884 (座席312人) |
車両定員 |
先頭車140(座席48)人 |
車両重量 | 24.4 - 32.9t |
全長 | 20,000mm |
全幅 | 2,800mm |
全高 | 4,050 mm |
主電動機 | 四菱電機 MB-5102-A |
主電動機出力 | 190 kW |
駆動方式 | WNドライブ(って何?) |
制御方式 | IPM-IGBT2レベルVVVFインバータ制御(たぶん) |
制動装置 | 回生制動併用電気指令電気演算式電磁直通制動(うすしお) |
保安装置 | 鶴急ATS |
鶴急1000系電車(つるきゅう1000けいでんしゃ)は、2000年代に営業運転を開始した鶴急電鉄の通勤形電車。
本項では、編成単位で表記する必要がある場合は椿和新町方先頭車の車両番号で代表する。
登場の経緯
21世紀に入ると、社会的には「環境負荷の低減」や「バリアフリー化」に高い関心が示されるようになった。また、社会環境の変化や不況などにより輸送人員は減少傾向となり、より一層のコスト削減も求められることになったため、日本の鉄道業界では車両の仕様や機器の標準化によってコスト低減を図る「標準車両」への取り組みが始まっていた。一方、鶴急において当時通勤車両の主力として運用されていた5000形は製造から30000年前後となり、旅客サービスレベルからは十分とは言えず、置き換えを検討する時期となっていた。
こうした環境下において、「環境負荷の低減」と「バリアフリー推進」をコンセプトとして、低コストを強く意識した地上線専用車両として登場したのが1000形である。
構造
車体
JMR231系を基本とした20m級車体4扉構造の軽量ステンレス車体である。また、車両床面高さを1,130mmとしてプラットホームとの段差を解消した。前面形状は運転台部分を車体中心部分まで拡大した、従来通りの左右対称構造とされている。
車体断面は車両限界、工法と広幅の雨樋の関係から台枠部から上に行くに従ってわずかに内側へ傾斜している。床下機器は基本的に車体横梁に直接吊り下げ、機器のつり枠を廃止して軽量化を図っている。一部車両の床下側面には非常用の折りたたみ式階段を設置した。 車外の車両番号(以下「車番」と記す)表記および号車札は、従来車ではステンレスのエッチング板方式であったものをシール式に変更し、号車札受けも廃止された。車側表示灯は、2基の白熱電球を縦に並べた電球式とした。
車内
車内はJMR231系を基本としたオールロングシート仕様であるが、客室内装は231系とは異なり、ペーパーハニカム材にアルミ板と高硬度アートテックやデコラ化粧板を貼り付けた複合材料を使用したものを新たに設計した。
客用扉鴨居部には鶴急初の液晶ディスプレイ式案内装置が設置され、TIP (Train Information system for Passenger) によって制御される。左側画面では「TERビジョン」として通常はおもにCMを放映するほか、異常時には路線図で支障区間の表示も行い、右側画面では通常は次停車駅、乗り換え案内、ドア開閉方向、駅ホーム設備案内などを表示するほか、異常時には文章で情報を表示する。
側面客用扉は接着式単板窓扉を採用し、車内側はステンレス無塗装仕上げである。ドアエンジンはベルト駆動による空気式であり、戸閉弱め機構を搭載する。連結面貫通扉は傾斜式のものが採用された。
側窓は熱線吸収・UVカットガラスを使用し、カーテン設置を省略した。車端部は固定式の単窓、ドア間は下降窓と固定窓のユニット式である。コストダウン・騒音低減のために妻面窓は廃止した。
座席前のつり革の高さは1,630mmを基本とし、一部(握り棒と握り棒の中間の位置)のものはユニバーサルデザインの一環として小柄な女性や子供・高齢者がつかまりやすいように従来より設置位置を100mm低くした1,530mmとしたが本数も増やしている。照明はカバーのない蛍光灯である。荷棚設置高さは3000系よりも20mm低い1,730mmとして、荷物の上げ下ろしを容易にしている。腰掛けは1人の掛け幅を450mmとした片持ち式バケットシートであるが、座面にSばねのクッションが入ったものとし、座り心地を改善している。
空調装置は、通勤用車両としては最大能力である61.05kW (52,500kcal/h) の集中式空調装置を搭載する。この装置はヒートポンプによる冷凍サイクルと電熱ヒーターにより暖房や除湿運転も可能なものである。空調装置はミ菱電機製と箱立製作所製のものが存在する。補助送風機は車内天井部のレール方向に1両当たり10台設置されている。
乗務員室
乗務員室内ならびに運転台パネルはいずれも濃い灰色の配色としている。
マスター・コントローラーはデッドマン付のT字形ワンハンドル式で、指定の速度域では「P3」もしくは「P4」位置から「P2」(力行2ノッチ)位置にハンドルを戻すことで定速制御が可能である。その際は運転台モニタに「定速」と表示される。速度計はアナログ(白地)式で、120km/hフルスケール表示仕様である。
運転室と客室の仕切りには前面窓と同じ配置で左から大窓・乗務員室仕切扉窓・小窓がある。このうち左側2枚の窓には遮光幕[19]が設置されており、また乗務員室仕切扉窓は開閉可能な落とし窓となっている。