「瀬田3000系電車」の版間の差分
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3000系の加速性能では、持ち前の最高速度の高さを生かす前に停車駅の為の減速をかけなければならないため、実質的に他の車両での運用とほぼ時間は変わらず、所要時間の短縮には至らなかった。そのため社内ではこれ以上の高速運用は不可能と判断され、3000系は次世代型通勤車両のテストベッドとされることとなった。<br> | 3000系の加速性能では、持ち前の最高速度の高さを生かす前に停車駅の為の減速をかけなければならないため、実質的に他の車両での運用とほぼ時間は変わらず、所要時間の短縮には至らなかった。そのため社内ではこれ以上の高速運用は不可能と判断され、3000系は次世代型通勤車両のテストベッドとされることとなった。<br> | ||
しかし製造元の瀬田車両では3000系試作編成の運用データを独自に解析し、それを基に加速性能の底上げを図った'''3050形'''を試作していた。この3050形は1編成が試作されたのち試運転を行わないまま[[水音車両]] | しかし製造元の瀬田車両では3000系試作編成の運用データを独自に解析し、それを基に加速性能の底上げを図った'''3050形'''を試作していた。この3050形は1編成が試作されたのち試運転を行わないまま[[水音車両]]に持ち込まれることとなり、試作剛体データおよび先頭形状、高速運転向け車両機器のデータ解析が行われたのち、後述の3100系が3000系の正式採用版として運用されることとなる。尚、[[瀬田車両製造]]では、この3000系をベースとした量産向け通勤車両'''2700形'''を独自に開発し、府舘地方のいくつかの鉄道へと納入している。現在も2700形は生産が続けられているが、3100系などに転用されたデータなどは使用されておらず、あくまでも独自に開発されたものであるとされる。 | ||
次世代型通勤型車両のテストベッドとして試運転が再開され、更に3編成を新造して大量のデータを収集し、3500系や2200系の瀬田電鉄用機器調整には役立ったものの、その設備の複雑さから運転手からも不評を買い、運用区間は常に一定せず、一カ月ごとにほかの車両基地を転々と渡り歩くという異例の運用が続いていた。そんな中、2014年に新型車両2200系の2次車導入に伴い、機器統一がなされ運転方法も簡易な3100系に完全に入れ替えられることとなり、3000系3編成も先頭車を入れ替えて塗装変更・機器変更することで、3100系の仕様とほぼ同じ規格に統一される改修工事が行われ、3190番台として3100系列に組み込まれることとなった。これをもって3000系列は完全に消滅している。 | 次世代型通勤型車両のテストベッドとして試運転が再開され、更に3編成を新造して大量のデータを収集し、3500系や2200系の瀬田電鉄用機器調整には役立ったものの、その設備の複雑さから運転手からも不評を買い、運用区間は常に一定せず、一カ月ごとにほかの車両基地を転々と渡り歩くという異例の運用が続いていた。そんな中、2014年に新型車両2200系の2次車導入に伴い、機器統一がなされ運転方法も簡易な3100系に完全に入れ替えられることとなり、3000系3編成も先頭車を入れ替えて塗装変更・機器変更することで、3100系の仕様とほぼ同じ規格に統一される改修工事が行われ、3190番台として3100系列に組み込まれることとなった。これをもって3000系列は完全に消滅している。 |
2020年6月2日 (火) 22:58時点における版
瀬田電気鉄道3000系電車(せたでんきてつどう3000けいでんしゃ)は、2009年11月25日に営業運転を開始した瀬田電気鉄道の試作型通勤形電車である。ここでは、量産更新車である3100系電車についても記述する。
瀬田3000系電車 | |
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3000系基本編成 (2010年6月10日 瀬田駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 瀬田電鉄 |
製造所 | 瀬田車両 |
製造年 | 2008年 |
運用開始 | 2009年11月25日 |
投入先 | 瀬田本線 |
主要諸元 | |
編成 |
基本6両 (MT比2:3) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流 1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 120 km/h |
設計最高速度 | 135 km/h |
編成定員 | 基本編成 - 1,200名 |
車体 | ステンレス |
台車 | WDT57 |
編成出力 |
2,240 kW(基本編成 - 4M6T) 1,120 kW(付属編成 - 2M3T) |
制御方式 |
VVVFインバータ制御 (IGBT素子) |
制動装置 |
回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ 全電気ブレーキ 抑速ブレーキ |
保安装置 |
関南ATS-P 西京ATO(一部) |
概要
瀬田本線の線形改良及び一部高架化により高速運転が可能になったことから、その試験車両として2008年11月に試作編成1本が瀬田車両にて製造された。従来の台車を流用せず、完全新規の台車を採用するなど、野心的な設計のもと製造されている。
来たるべき新型通勤型車両(2200系および3500系)の高速運用を見据え、設計上の最高速度は130km/hに設定された。しかしこの試作編成は実際の通常運用を行いながら試運転をするという異例の試験方法を行ったため、乗客の安全のために瀬田電鉄線内での最高速度は120km/hまで制限されている。
実際のところ、瀬田本線以外は瀬田電鉄線内に限ってもカーブなど直線が続かない区間が多々あり、実際の試験運用では当初の予定の半分以下の結果しか出すことができなかった。これは線形の原因の他に3000系の加速性能の不十分さが問題であったといわれている。
3000系の加速性能では、持ち前の最高速度の高さを生かす前に停車駅の為の減速をかけなければならないため、実質的に他の車両での運用とほぼ時間は変わらず、所要時間の短縮には至らなかった。そのため社内ではこれ以上の高速運用は不可能と判断され、3000系は次世代型通勤車両のテストベッドとされることとなった。
しかし製造元の瀬田車両では3000系試作編成の運用データを独自に解析し、それを基に加速性能の底上げを図った3050形を試作していた。この3050形は1編成が試作されたのち試運転を行わないまま水音車両に持ち込まれることとなり、試作剛体データおよび先頭形状、高速運転向け車両機器のデータ解析が行われたのち、後述の3100系が3000系の正式採用版として運用されることとなる。尚、瀬田車両製造では、この3000系をベースとした量産向け通勤車両2700形を独自に開発し、府舘地方のいくつかの鉄道へと納入している。現在も2700形は生産が続けられているが、3100系などに転用されたデータなどは使用されておらず、あくまでも独自に開発されたものであるとされる。
次世代型通勤型車両のテストベッドとして試運転が再開され、更に3編成を新造して大量のデータを収集し、3500系や2200系の瀬田電鉄用機器調整には役立ったものの、その設備の複雑さから運転手からも不評を買い、運用区間は常に一定せず、一カ月ごとにほかの車両基地を転々と渡り歩くという異例の運用が続いていた。そんな中、2014年に新型車両2200系の2次車導入に伴い、機器統一がなされ運転方法も簡易な3100系に完全に入れ替えられることとなり、3000系3編成も先頭車を入れ替えて塗装変更・機器変更することで、3100系の仕様とほぼ同じ規格に統一される改修工事が行われ、3190番台として3100系列に組み込まれることとなった。これをもって3000系列は完全に消滅している。
設備
新型の軽量剛体を基に製造されており、その形状は東急6000系に酷似している。内装は瀬田電鉄では初となる一部クロスシートを採用し、長距離運用での快適性を向上させている。ただし後継の車両には装備されていないことから、瀬田本線などではより人員の運べるロングシートが優先された可能性がある。1500系等とは違って拡幅車体は採用されておらず、編成定員も1,115人へと減少している。
試作型車両らしく当時としては最先端のフルHD画質のLCDをドア両側に装備し、運行情報の明確化に貢献している。
3100系
瀬田電気鉄道3100系電車(せたでんきてつどう3100けいでんしゃ)は、2013年3月15日に営業運転を開始した瀬田電気鉄道の通勤形電車である。 3000系の剛体と運用データを基に水音車両にて製造されている。
瀬田3100系電車 | |
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3100系基本編成 (2010年6月10日 中ノ橋駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 瀬田電鉄 |
製造所 | 水音車両 |
製造年 | 2012年 - |
運用開始 | 2013年3月15日 |
投入先 | 瀬田本線,湾岸線 |
主要諸元 | |
編成定員 | 基本編成 - 1,200名 |
保安装置 |
関南ATS-P 西京・臨海ATO(一部) |