「ハイペリカム(機動兵器)」の版間の差分

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それまで主に利用されていた0013M [[スパイダーウォート(機動兵器)|スパイダーウォート]]に代わり、瀬田重工業によって開発された新型機動兵器。その初期理念通り、戦車とほぼ同等の装甲材を用い、戦車以上の機動性を有した兵器として数機が建造された。ただし、量産化に向けてのコストダウンは全く行われていないワンオフ機であり、さらには機動性のために関節部の駆動構造を改良した結果逆に装甲材を削減したこともあって、耐久性は実用化不可能なレベルに低下している。
それまで主に利用されていた0013M [[スパイダーウォート(機動兵器)|スパイダーウォート]]に代わり、瀬田重工業によって開発された新型機動兵器。その初期理念通り、戦車とほぼ同等の装甲材を用い、戦車以上の機動性を有した兵器として数機が建造された。ただし、量産化に向けてのコストダウンは全く行われていないワンオフ機であり、さらには機動性のために関節部の駆動構造を改良した結果逆に装甲材を削減したこともあって、耐久性は実戦投入不可能なレベルに低下している。


姿勢制御用に新規開発されたアクチュエーターとサーボモーターを全身に搭載するが、一部腕部向け精密サーボの開発が間に合わなかったため、航空機などに使用される油圧式駆動が利用されている箇所がある。後の35式ではEMP対策が不完全であり、この問題は解決しているものの、逆に電気供給を断たれると完全に身動きが取れなくなるという問題も生み出してしまっている。
姿勢制御用に新規開発されたアクチュエーターとサーボモーターを全身に搭載するが、一部腕部向け精密サーボの開発が間に合わなかったため、航空機などに使用される油圧式駆動が利用されている箇所がある。後の35式ではこの問題は解決しているものの、EMP対策が不完全であり、逆に電気供給を断たれると完全に身動きが取れなくなるという新たな問題も生み出してしまっている。


初期武装では右腕を戦車の主砲を転用したものを使用しているが、反動はこの機体の機動性でも抑制できないため、右腕に全重量とほぼ同等の推力を持ったスラスターを装備している。1号機が主にこの装備でテストを行ったが、バランスの悪さが露呈し、警備課への配備時は右腕を左腕と同じ規格に交換したB装備で納入されている。
初期武装では右腕を戦車の主砲を転用したものを使用しているが、機体そのものが軽量すぎる故に反動は抑制できないため、右腕に全重量とほぼ同等の推力を持ったスラスターを装備し、両脚からアウトリガーが展開することにより射撃が可能になる。1号機が主にこの装備でテストを行ったが、バランスの悪さが露呈し、警備課への配備時は右腕を左腕と同じ規格に交換したB装備で納入されている。


この時代の機体としては極限までの機動性を確保したものの、戦車とは全く異なる操作性と機体特性から、操縦はおろか搭乗もできない者が続出し<ref>酔って嘔吐する者が続出したという</ref>、操縦できる者は空間認識能力が高い一部の人間に限られた。実戦配備時には戦車装甲とほぼ同じレベルの耐久性を持つ大型のシールドが配備され、本体の耐久性を補っている。ただし、重量が機体本体の重量を上回っているため、シールド装備時には保持用アクチュエーターを追加装備しなければならない。
この時代の機体としては極限までの機動性を確保したものの、戦車とは全く異なる操作性と機体特性から、操縦はおろか搭乗もできない者が続出し<ref>酔って嘔吐する者が続出したという</ref>、操縦できる者は空間認識能力が高い一部の人間に限られた。実戦配備時には戦車装甲とほぼ同じレベルの耐久性を持つ大型のシールドが配備され、本体の耐久性を補っている。ただし、重量が機体本体の重量を上回っているため、シールド装備時には保持用アクチュエーターを追加装備しなければならない。
初の二足歩行型兵器として野心的な設計の元開発されたが、当初の予定よりも開発コストは数倍にも膨れ上がり、のちの機体にはコストダウンの為省かれてしまった装備もあった。


瀬田電鉄グループ傘下の[[瀬田電鉄警備課|警備課]]へ試作機として2機が配備され、各種稼働テストに利用された後、1機は予備パーツとして解体され、残った1機は警備課の機体として実際の運用に投入された。非公式の記録ながら、秋豆車輌製作所製造の機体[[アフェクシオン(A-HGMI01)|アフェクシオン]]との交戦記録も存在する。後に犯罪者グループの所有していた[[バスター・ストライカー]]との戦闘で中破し、'''ハイペリカムγ'''へと改修されることとなる。
瀬田電鉄グループ傘下の[[瀬田電鉄警備課|警備課]]へ試作機として2機が配備され、各種稼働テストに利用された後、1機は予備パーツとして解体され、残った1機は警備課の機体として実際の運用に投入された。非公式の記録ながら、秋豆車輌製作所製造の機体[[アフェクシオン(A-HGMI01)|アフェクシオン]]との交戦記録も存在する。後に犯罪者グループの所有していた[[バスター・ストライカー]]との戦闘で中破し、'''ハイペリカムγ'''へと改修されることとなる。


==== 頭部 ====
==== 頭部 ====
頭部前面上部には通信機能を内包した新開発のセンサー(MTI-08SA)を採用することで、スパイダーウォートの頭部の特徴的な巨大なアンテナは廃され、被弾率が大きく低下している。カメラセンサーはスパイダーウォートと変わらない規格品を使用しているものの、新型のAPUを採用、両頬部分に冷却用ダクトが新設され、特徴的なシルエットを作り出している。
頭部前面上部には通信機能を内包した新開発のセンサー(MTI-08SA)を採用することで、スパイダーウォートの頭部の特徴的な巨大なアンテナは廃され、被弾率が大きく低下している。カメラセンサーはスパイダーウォートと変わらない規格品を使用しているものの、新型のAPUを採用、両頬部分に冷却用ダクトが新設され、特徴的なシルエットを作り出している。内部には有効半径700mの軍用レーダーを搭載し、独自のIFF識別も可能である。側面に20mm CIWSを搭載。弾薬は胸部内から供給されるため、マガジンは搭載されていない。


====胸部====
====胸部====
胸部にはこれまでの機体同様コックピットが備えられており、コックピット内には4面のモニターが設置されている。ショックアブソーバーは新設されているものの、揺れは酷くなっている。操縦系統はこれまで同様左右に操縦桿となる変形式レバー、そしてペダルを装備する。戦闘機に採用されているものとほぼ同じ緊急脱出装置付きの座席を備える。
胸部にはこれまでの機体同様コックピットが備えられており、コックピット内には4面のモニターが設置されている。ショックアブソーバーは新設されているものの、揺れは酷くなっている。操縦系統はこれまで同様左右に操縦桿となる変形式レバー、そしてペダルを装備する。一般的な戦闘機に採用されているものとほぼ同じ緊急脱出装置付きの座席を備える。緊急時にはコクピット上部の装甲が丸ごとパージされ、座席を射出する仕組みとなる。前面装甲板にはサブカメラとサブセンサーが搭載されている。
 
====腕部====
肩アーマーには新開発のハニカム型複層装甲を採用。特に被弾率が高い側面フレーム部分は新素材の装甲を搭載、さらに3重構造にすることにより、シールドを保持しなくともある程度の砲撃には耐えられる仕様となっている。
マニュピレータは新型のものが採用されており、従来型に比べ保持力に優れる。また腕部も含めてパワーも増強されており、携帯兵器を携行していなくとも敵機動兵器に十分対抗できる。


===開発経緯===
===開発経緯===
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武装はハイペリカム向けに新規設計された90mmマシンガンを主武装とする。これは軽戦車や装甲戦闘車両向けに生産されていた既存の90mm低圧砲などの設計を流用したものであるが、戦車などと違い大型のマニピュレーターで保持可能なサイズまで小型・軽量化を推し進めた結果、装弾数は装甲車などに搭載されているものと比較するとあまりにも少ない上、手持ち武装とはいえ大型なためマガジンが存在せず、撃ち切ってしまうと帰還するまでは使えない欠陥品とも呼べる兵装であった。またマシンガンという名であるものの、制圧射撃のような連続発射は基本的に不可能である。ただ相当の機械式戦闘兵器は設計時に存在していなかったため、単純に不必要と考えられていた可能性もある。
武装はハイペリカム向けに新規設計された90mmマシンガンを主武装とする。これは軽戦車や装甲戦闘車両向けに生産されていた既存の90mm低圧砲などの設計を流用したものであるが、戦車などと違い大型のマニピュレーターで保持可能なサイズまで小型・軽量化を推し進めた結果、装弾数は装甲車などに搭載されているものと比較するとあまりにも少ない上、手持ち武装とはいえ大型なためマガジンが存在せず、撃ち切ってしまうと帰還するまでは使えない欠陥品とも呼べる兵装であった。またマシンガンという名であるものの、制圧射撃のような連続発射は基本的に不可能である。ただ相当の機械式戦闘兵器は設計時に存在していなかったため、単純に不必要と考えられていた可能性もある。
反動はそれなりに大きいため、両腕で保持しなければまともに命中させることは不可能である。


近接戦闘向けにショックソードを装備する。これは厳密に言えば鈍器とも言える代物であるが、当たった先に任意のタイミングで高圧電流を流すことができるため、主に車両鎮圧用として装備されている。また頭部には20mmCIWSを装備し、対空戦闘にもある程度対応する。
近接戦闘向けにショックソードを装備する。これは厳密に言えば鈍器とも言える代物であるが、当たった先に任意のタイミングで高圧電流を流すことができるため、主に車両鎮圧用として装備されている。また頭部には20mmCIWSを装備し、対空戦闘にもある程度対応する。

2022年10月18日 (火) 01:20時点における最新版

ハイペリカム(Hypericum)とは、瀬田重工業製造、瀬田電第13独立警備大隊所属の試作型巨大人型機動兵器である。形式番号はSAX-0021A。名称が決定する以前は開発コード名の21式で呼ばれていた。尚本稿では、改良型のハイペリカムγ(ガンマ)についても記述する。

概要

諸元
ハイペリカム
Hypericum
コードネーム 21式
形式番号 SAX-021A/C
種別 試作機動兵器
製造 瀬田重工業製造
建造 瀬田重工業 東森工場
生産形態 試作機
全高 16m
重量 33.2t
最大積載重量 50.2t
外装 軽装チタン合金
ジェネレータ SMM-740s/h
ジェネレーター出力 1,200W
OS NextGenACM-OS v1.1
武装 90mmマシンガンx2
大型ショックソード
ミニリニアナイフx2
右腕換装型180mm無反動砲
固定武装 頭部20mm CIWS
有効射程 不明

それまで主に利用されていた0013M スパイダーウォートに代わり、瀬田重工業によって開発された新型機動兵器。その初期理念通り、戦車とほぼ同等の装甲材を用い、戦車以上の機動性を有した兵器として数機が建造された。ただし、量産化に向けてのコストダウンは全く行われていないワンオフ機であり、さらには機動性のために関節部の駆動構造を改良した結果逆に装甲材を削減したこともあって、耐久性は実戦投入不可能なレベルに低下している。

姿勢制御用に新規開発されたアクチュエーターとサーボモーターを全身に搭載するが、一部腕部向け精密サーボの開発が間に合わなかったため、航空機などに使用される油圧式駆動が利用されている箇所がある。後の35式ではこの問題は解決しているものの、EMP対策が不完全であり、逆に電気供給を断たれると完全に身動きが取れなくなるという新たな問題も生み出してしまっている。

初期武装では右腕を戦車の主砲を転用したものを使用しているが、機体そのものが軽量すぎる故に反動は抑制できないため、右腕に全重量とほぼ同等の推力を持ったスラスターを装備し、両脚からアウトリガーが展開することにより射撃が可能になる。1号機が主にこの装備でテストを行ったが、バランスの悪さが露呈し、警備課への配備時は右腕を左腕と同じ規格に交換したB装備で納入されている。

この時代の機体としては極限までの機動性を確保したものの、戦車とは全く異なる操作性と機体特性から、操縦はおろか搭乗もできない者が続出し[1]、操縦できる者は空間認識能力が高い一部の人間に限られた。実戦配備時には戦車装甲とほぼ同じレベルの耐久性を持つ大型のシールドが配備され、本体の耐久性を補っている。ただし、重量が機体本体の重量を上回っているため、シールド装備時には保持用アクチュエーターを追加装備しなければならない。

初の二足歩行型兵器として野心的な設計の元開発されたが、当初の予定よりも開発コストは数倍にも膨れ上がり、のちの機体にはコストダウンの為省かれてしまった装備もあった。

瀬田電鉄グループ傘下の警備課へ試作機として2機が配備され、各種稼働テストに利用された後、1機は予備パーツとして解体され、残った1機は警備課の機体として実際の運用に投入された。非公式の記録ながら、秋豆車輌製作所製造の機体アフェクシオンとの交戦記録も存在する。後に犯罪者グループの所有していたバスター・ストライカーとの戦闘で中破し、ハイペリカムγへと改修されることとなる。

頭部

頭部前面上部には通信機能を内包した新開発のセンサー(MTI-08SA)を採用することで、スパイダーウォートの頭部の特徴的な巨大なアンテナは廃され、被弾率が大きく低下している。カメラセンサーはスパイダーウォートと変わらない規格品を使用しているものの、新型のAPUを採用、両頬部分に冷却用ダクトが新設され、特徴的なシルエットを作り出している。内部には有効半径700mの軍用レーダーを搭載し、独自のIFF識別も可能である。側面に20mm CIWSを搭載。弾薬は胸部内から供給されるため、マガジンは搭載されていない。

胸部

胸部にはこれまでの機体同様コックピットが備えられており、コックピット内には4面のモニターが設置されている。ショックアブソーバーは新設されているものの、揺れは酷くなっている。操縦系統はこれまで同様左右に操縦桿となる変形式レバー、そしてペダルを装備する。一般的な戦闘機に採用されているものとほぼ同じ緊急脱出装置付きの座席を備える。緊急時にはコクピット上部の装甲が丸ごとパージされ、座席を射出する仕組みとなる。前面装甲板にはサブカメラとサブセンサーが搭載されている。

腕部

肩アーマーには新開発のハニカム型複層装甲を採用。特に被弾率が高い側面フレーム部分は新素材の装甲を搭載、さらに3重構造にすることにより、シールドを保持しなくともある程度の砲撃には耐えられる仕様となっている。 マニュピレータは新型のものが採用されており、従来型に比べ保持力に優れる。また腕部も含めてパワーも増強されており、携帯兵器を携行していなくとも敵機動兵器に十分対抗できる。

開発経緯

瀬田重工業内で開発コード21式と呼ばれていた機体は、コストの問題と技術力で当初の課題を達成できなかった0013M スパイダーウォートの後継機として開発がスタートした。スパイダーウォートが従来の戦車と同じディーゼルエンジンを採用していたことから、21式も当初はディーゼルエンジンを搭載していたが、戦車とは違う全方位からの衝撃にエンジンが耐えられず、出力も不安定化し、ディーゼルエンジンの採用は見送られることとなった。しかしバッテリー駆動では駆動時間があまりにも少なく、実用的ではなかった。そのため、小型ディーゼルエンジンで待機時にバッテリーへ充電し、またエンジンから出る熱を利用し、全身に内蔵された大型バッテリーに供給し続ける、いわばハイブリッドエンジンを新規に搭載。激しい動きを長期に続けない限りは長時間の戦闘にも耐えられるようになった。

武装はハイペリカム向けに新規設計された90mmマシンガンを主武装とする。これは軽戦車や装甲戦闘車両向けに生産されていた既存の90mm低圧砲などの設計を流用したものであるが、戦車などと違い大型のマニピュレーターで保持可能なサイズまで小型・軽量化を推し進めた結果、装弾数は装甲車などに搭載されているものと比較するとあまりにも少ない上、手持ち武装とはいえ大型なためマガジンが存在せず、撃ち切ってしまうと帰還するまでは使えない欠陥品とも呼べる兵装であった。またマシンガンという名であるものの、制圧射撃のような連続発射は基本的に不可能である。ただ相当の機械式戦闘兵器は設計時に存在していなかったため、単純に不必要と考えられていた可能性もある。 反動はそれなりに大きいため、両腕で保持しなければまともに命中させることは不可能である。

近接戦闘向けにショックソードを装備する。これは厳密に言えば鈍器とも言える代物であるが、当たった先に任意のタイミングで高圧電流を流すことができるため、主に車両鎮圧用として装備されている。また頭部には20mmCIWSを装備し、対空戦闘にもある程度対応する。

右腕に固定武装として装備されている180mm無反動砲は、戦車に使われているものをそのまま流用し、薬室および予備弾薬・発射システムのみを移設した急ごしらえの装備である。そもそもこの兵装は主兵装ではなく、戦車等の装甲が厚い車両を確実に撃破に至らしめるために搭載された、いわば特装兵器としての扱いであった。そのため、非常時等でも使用する機会は極端に少なく、むしろ右腕を丸々戦車の砲台にするというインパクトを優先した兵器であった。

バリエーション

ハイペリカムγ

諸元
ハイペリカムγ
Hypericum γ
コードネーム 試製21式
形式番号 SAS-0021A/Dsm
種別 試作機動兵器
製造 瀬田重工業製造
建造 瀬田重工業 東森工場
生産形態 試作機
全高 16m
重量 33.2t
最大積載重量 34.5t
外装 軽装チタン合金
ジェネレータ SMM-740s/h
ジェネレーター出力 1,500W
OS NextGenASM-OS v1.2
武装 90mmマシンガンx2
大型ショックソード
ミニリニアナイフx2
固定武装 頭部20mm CIWS

中破したハイペリカム1号機を、対機動兵器OSへと書き換え、右腕の換装システムを廃止し、より実戦向けに改良した機体である。機体コード名から試作機ナンバーの「X」が消滅し、実戦へ投入する機体として再整備が行われている。高い機動性はそのままにフレーム部分の剛性を強化し、対機動兵器の銭湯へ特化した改造が行われた。

解説

脚注

  1. 酔って嘔吐する者が続出したという