「瀬田2200系電車」の版間の差分

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'''瀬田電気鉄道2200系電車'''(せたでんきてつどう2200けいでんしゃ)は、2002年5月4日に営業運転を開始した[[瀬田電鉄|瀬田電気鉄道]]の通勤形電車である。
'''瀬田電気鉄道2200系電車'''(せたでんきてつどう2200けいでんしゃ)は、2010年5月4日に営業運転を開始した[[瀬田電鉄|瀬田電気鉄道]]の通勤形電車である。
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| 車両名  = 瀬田2200系電車
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| 画像説明 = 2200系基本編成(2次車)<br />(2010年8月20日 東森駅)
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| 運用開始 = 2002年5月4日
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| 軌間    = 1,067
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| 最高運転速度 = 115
| 最高運転速度 = 115
| 設計最高速度 = 115
| 設計最高速度 = 120
| 起動加速度 = 3.5
| 起動加速度 = 3.5
| 常用減速度 = 4.0
| 常用減速度 = 4.0
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| 編成定員 = 基本編成 - 1,412名<br />付属編成 - 760名
| 編成定員 = 基本編成 - 1,412名<br />付属編成 - 760名
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| 最大寸法 = 20,000 × 2,950 × 3,640 [[ミリメートル|mm]]<br />(普通車)
| 最大寸法 = 20,000 × 2,950 × 3,640 [[ミリメートル|mm]]<br />(普通車)
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| 台車    = DT71・TR255・TR255A・TR255B・TR255C
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| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]] MT75 × 4基/両
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==概要==
==概要==
[[瀬田1000系電車|1000系]]で製造上の欠陥が見つかったため、瀬田電鉄内の車輛不足を補うために'''宝条工廠'''で製造される'''HT1000形'''をベースに製造された。同時期に[[瀬田1700系電車|1700系]]が製造されている。1989年10月12日に新車両投入の広報を発表<ref>本線系統に新しい車両を導入します - 瀬田電鉄公式HP</ref>し、1990年2月1日に運行を開始した。
老朽化が進んでいた[[瀬田1500系電車|1500系]]の置き換え用車両として、'''宝条工廠製HT1100系'''から開発、投入された瀬田電鉄を代表する主力車両である。当初1500系の後継車として試験的に投入されたHT1600系ベースの[[瀬田2900系電車|2900系]]の試験走行データ及び実際の運用データを元に、原型車であるHT1100系から瀬田電鉄向けに数々の改良が初期段階から施された。尚本系列はJMR231系などの車体構造の設計を参考にしており、省エネルギー化と生産コスト、メンテナンスコストの大幅な削減を実現。すべての設備を1500系から引き続き搭載するほか、新造当初から'''関南ATSを標準搭載'''する初めての車両である。拡幅車両であるため、西京メトロへの乗り入れは現状不可能であり、メトロ乗り入れは2600系と、同じく1500系、2900系の後継として配備が予定されている[[瀬田2500系電車|2500系]]に引き継がれる予定である。
 
運用路線は瀬田電鉄のほぼ全路線へと拡大。後に瀬田電鉄が常総急行線への乗り入れを開始したことに伴う増備により、現在では瀬田電鉄で同一系列の最多配置両数を誇る。その総生産両数は1,000両にも渡るとも言われるが、真相は不明。
 
当初は若部駅等のターミナル駅での増結や2600系との併結も検討され、一次車の中には幌の準備工事が行われた編成も存在するが、2600系は拡幅車体ではないことなどから実現はしなかった。一次車のみ1500系の塗装パターンを踏襲した仕様で塗装が施された(リバイバル塗装)が、二次車以降は新デザインに統一されている。
 
形式上は[[瀬田3500系電車|3500系]]や[[瀬田2600系電車|2600系]]よりも前の列番であるが、[[瀬田電鉄]]への導入車の中では本列車が最新の車両である。本系列によって実現された省エネルギー化などの技術は、後に2600系などの他の主力車両にフィードバックされ、更なる改良がなされている。設計の参考にされた231系列は通勤・近郊車を統一した設計により量産効果による省コストを実現しているが、本系列をベースとした近郊型車両の製造は計画されていない。


==設備==
==設備==
20m4ドアの標準的なロングシート車両であり、改修後からはドア上に行先案内表示盤(LCD)が千鳥配置で設置された。


[[瀬田電気鉄道湾岸線]]の開業に伴い、新しい保安システムが導入されることとなったが、本列車の設備には既に新しい保安設備を増設する余裕がなく、本列車は2011年5月を持って全車廃車となった。
=== 車体設備 ===
尚、後継車両として[[瀬田2200系電車|2200系]]が2010年から順次導入されている。
基本的な車体構造は置き換え元である1500系と共通する部分が多い。前面のLED式行先表示器は標準では行先と種別が一体化していたが、本形式では分離し、左右に分割配置されている。これは2900系の運用時、先頭車の種別表示が見えにくく(同系列はLED式方向幕の大きさが事情により広く取れなかった)、乗客からの視認性向上を求めた声に応えたものである。初期試作車はロングシートの形状が旧式のものだったが、量産更新車からはE233系等に採用されているモケットシートとほぼ同一のものへと変更されている。また本列車には混雑緩和用の6ドア車も検討されていたが、需要の低さと利便性から却下されている。
 
車体は軽量ステンレス製で、前面部にはFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製のカバーで覆う構造が用いられている。車体構造は1500系に準じたものであり、 2,950 mm の拡幅車体を採用している。また、床面高さはレール面から 1,165 mm に低減された。これにより、ホーム (1,100 mm) との段差解消と低重心化が図られている。一部SRなどの車両で採用された運転室構体への衝撃吸収構造は、西京メトロのホームドアに対応できないことから採用されていない。前照灯、尾灯は1500系と同じくHT車系列のデザインを色濃く受け継ぎ、窓下に横長に配置されている。また2900系や2800系と同様、前面に貫通扉が整備されているものの、本列車では併結対応の設備は存在しないため、あくまで緊急用とされる。
 
全車両に前面排障器(スカート)が設置されているが、標準搭載のものに改修を加えて強化されたものが初期試作車から標準装備され、1500系では強化スカートへの換装により消滅していたスカート部尾灯兼警戒灯が復活している。2800系と相違する点として、半自動式ドア開閉ボタンは整備されておらず、乗客の個別開閉には対応しない。ただし、瀬田臨海鉄道線への乗り入れを考慮されているため、ホームドア連動装備は標準搭載する。LED式行先表示器は瀬田本線系統では初となるより見やすい新型のフルカラー式が導入された。
 
車両機器は[[瀬田3000系電車|3000系]]の高速運転のデータを元に1500系から改良が施されているものの、依然として最高速度130km/hへの引き上げは危険として、運用上の最高速度は2600系と同様に115km/hに制限されている。2次車以降、運転装置にも改良が施されており、2800系2次車や3100系との規格統一の一環としてワンハンドルマスコンを導入したほか、関南ATS設備と臨海・西京ATOの設備を同一システム上の装置に置き換え、運転システムの統一が図られている。
 
=== 車内設備 ===
 
車内は内板を白色系とし、床敷物には灰色を、座席表地は青色系を使用している。座席構造は側構体で支持する片持ち式ロングシート/セミクロスシートを採用している。座席本体はリサイクル性にも配慮して、座席クッション素材にポリエステル樹脂成形品を使用しているが、座り心地の改善のため、クッションの改良などを実施している。1500系と相違する点として、ドア上車内案内表示装置(LCD)は千鳥配置から全ドアに設置される形へと変更された。またLCDディスプレイも高画質化・高機能化しており、従来のディスプレイの解像度(1020x720)からフルHDディスプレイ(1920x1080)に拡大し、表示する情報も増大している。また以前は車内案内表示の情報は電車内のデータを使用しており、駅の改修などの情報は逐一更新をせねばならないほか、遅延情報等の表示もできず対応が遅れていたが、本形式からは車両に装備されているネットワーク(200Mbpsの専用LTE回線を使用)を経由してオンラインで情報を表示するようになったため、リアルタイムの処理が可能になった。これの恩恵として車内Wi-Fiの使用も可能となっている。


==編成==
==編成==
2010年3月12日時点(引退直前)での運用は以下の通りであった。
2013年10月6日時点での運用は以下の通り。


* '''瀬田検車区所属車'''
* '''瀬田検車区所属車'''
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!1次車
!1次車
|1510(Mc)||1520(M)||1530(T)||1550(Tc)
|220X(Mc)||221X(M)||222X(T)||223X(Tc)
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!2次車
!2次車
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===番台別概説===
===番台別概説===
====0番台====
[[ファイル:Seta2200andkurakyu1000.png|サムネイル|離合する2200系二次車と倉急1000系電車]]
デビュー当初に1989年10月から11月にかけて4編成4本(16両)が新造されたグループ。概ね宝条工廠から出荷されたそのままの仕様であり、変更点は塗装変更・保安設備の増設にとどまる。
====一次車====
デビュー当初に2009年5月から11月にかけて5編成4本(20両)が宝条工廠にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。所謂量産先行車であり、後述する二次車以降では廃止された試験的な機能も搭載している。改修工事後は主に瀬田第一検車区及び臨海第二検車区に配置されている。
 
一次車は1500系の塗装を踏襲したリバイバルカラーでの出場となり、主に[[瀬田電気鉄道瀬田本線|瀬田本線]]向けに投入されたグループでもあったため倉急方面への直通運用へは原則回されない。二次車以降とは違い、スカートの改修、前面のLED幕の分離等の改修のみ施されている。尚、本列車から瀬田臨海鉄道への乗り入れに改修工事なしで対応している。二次車以降とモケットシートの形状が大きく異なる。[[瀬田2800系電車|2800系]]との併結が検討されていたため、前面幌の準備工事が行われている編成も存在する。
 
尚、二次車の投入と同時に塗装パターンを二次車以降と同一にする改修工事が行われ、2012年中にリバイバル塗装は消滅している。同時に3編成が瀬田本線運用から倉急方面向け直通運用に復帰した。最初期に投入されたため、準備工事が間に合わずLCD(車内案内表示器)のリアルタイム表示には非対応であり、1500系と同様の従来のシステムを急遽採用していた。ただし2012年に行われた改修工事によって二次車と同一のLCDが導入されたことで、この問題は解決することとなった。
 
====二次車====
瀬田臨海鉄道の吸収合併に伴って2012年8月から10月にかけて10編成4本(40両)が宝条工廠にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。塗装が2600系三次車と同一の濃い赤を基調とする新しいものに変更されているが、車体製造については一次車と変更は一切なく、内装設備の変更はあるものの、内装板についても従来と同様の仕様である。塗装及び改修工事後は主に瀬田第一検車区に配備され、2019年現在、瀬田本線及び倉急方面直通運用に主に回されている。モケットシートも換装され、3500系と同一のものに変更された。臨海鉄道の交直対応工事に伴って交直両対応の工事を施された編成(2261F)も存在する。また側面LED行先表示器の仕様が若干変更され、普通幕では灰色を表示するようになった(側面のみ)。


==更新工事==
====三次車====
===改修工事===
2017年以降、順次新造および配備されているグループ。当初は二次車から内外装ともに大幅な仕様変更が行われる予定だったが、予算の関係上で行われず、床下機器の更新等にとどまった。瀬田本線における優等種別用に8両編成6本がこれまでに配備されている。<ref>今後の2200系の配備について ニュースリリース 瀬田電気鉄道HP</ref>。
2005年から、1501F編成から改修工事が順次施行されている。改修内容は以下のとおりである。
* 前面前照灯のLED化
* 方向幕の全LED化
* 車体塗装の変更、外装板の交換(1530Fのみ)


==脚注==
==脚注==

2024年10月15日 (火) 16:01時点における最新版

瀬田電気鉄道2200系電車(せたでんきてつどう2200けいでんしゃ)は、2010年5月4日に営業運転を開始した瀬田電気鉄道の通勤形電車である。

瀬田2200系電車
2200系基本編成(2次車)
(2017年6月2日 若部駅)
基本情報
運用者 瀬田電鉄
製造所 宝条工廠
瀬田車両
製造年 2009年 -
運用開始 2010年5月4日
投入先 瀬田本線など
主要諸元
編成 8両(4M4T)
6両 (2M4T)
4両 (2M2T)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V(架空電車線方式)
最高運転速度 115 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5どころではない km/h/s
編成定員 基本編成 - 1,412名
付属編成 - 760名
編成重量 341.6 t(基本編成 - 4M6T)
163.2 t(付属編成 - 2M3T)
最大寸法
(長・幅・高)
20,000 × 2,950 × 3,640 mm
(普通車)
車体 ステンレス?
台車 DT71・TR255・TR255A・TR255B・TR255C
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT75 × 4基/両
主電動機出力 140 kW (1時間定格)
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 6.06 (16:97)
編成出力 2,240 kW(基本編成 - 4M6T)
1,120 kW(付属編成 - 2M3T)
制御方式 VVVFインバータ制御
IGBT素子
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
全電気ブレーキ
抑速ブレーキ
保安装置 関南ATS-P
西京・臨海ATO(一部)
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概要

老朽化が進んでいた1500系の置き換え用車両として、宝条工廠製HT1100系から開発、投入された瀬田電鉄を代表する主力車両である。当初1500系の後継車として試験的に投入されたHT1600系ベースの2900系の試験走行データ及び実際の運用データを元に、原型車であるHT1100系から瀬田電鉄向けに数々の改良が初期段階から施された。尚本系列はJMR231系などの車体構造の設計を参考にしており、省エネルギー化と生産コスト、メンテナンスコストの大幅な削減を実現。すべての設備を1500系から引き続き搭載するほか、新造当初から関南ATSを標準搭載する初めての車両である。拡幅車両であるため、西京メトロへの乗り入れは現状不可能であり、メトロ乗り入れは2600系と、同じく1500系、2900系の後継として配備が予定されている2500系に引き継がれる予定である。

運用路線は瀬田電鉄のほぼ全路線へと拡大。後に瀬田電鉄が常総急行線への乗り入れを開始したことに伴う増備により、現在では瀬田電鉄で同一系列の最多配置両数を誇る。その総生産両数は1,000両にも渡るとも言われるが、真相は不明。

当初は若部駅等のターミナル駅での増結や2600系との併結も検討され、一次車の中には幌の準備工事が行われた編成も存在するが、2600系は拡幅車体ではないことなどから実現はしなかった。一次車のみ1500系の塗装パターンを踏襲した仕様で塗装が施された(リバイバル塗装)が、二次車以降は新デザインに統一されている。

形式上は3500系2600系よりも前の列番であるが、瀬田電鉄への導入車の中では本列車が最新の車両である。本系列によって実現された省エネルギー化などの技術は、後に2600系などの他の主力車両にフィードバックされ、更なる改良がなされている。設計の参考にされた231系列は通勤・近郊車を統一した設計により量産効果による省コストを実現しているが、本系列をベースとした近郊型車両の製造は計画されていない。

設備

車体設備

基本的な車体構造は置き換え元である1500系と共通する部分が多い。前面のLED式行先表示器は標準では行先と種別が一体化していたが、本形式では分離し、左右に分割配置されている。これは2900系の運用時、先頭車の種別表示が見えにくく(同系列はLED式方向幕の大きさが事情により広く取れなかった)、乗客からの視認性向上を求めた声に応えたものである。初期試作車はロングシートの形状が旧式のものだったが、量産更新車からはE233系等に採用されているモケットシートとほぼ同一のものへと変更されている。また本列車には混雑緩和用の6ドア車も検討されていたが、需要の低さと利便性から却下されている。

車体は軽量ステンレス製で、前面部にはFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製のカバーで覆う構造が用いられている。車体構造は1500系に準じたものであり、 2,950 mm の拡幅車体を採用している。また、床面高さはレール面から 1,165 mm に低減された。これにより、ホーム (1,100 mm) との段差解消と低重心化が図られている。一部SRなどの車両で採用された運転室構体への衝撃吸収構造は、西京メトロのホームドアに対応できないことから採用されていない。前照灯、尾灯は1500系と同じくHT車系列のデザインを色濃く受け継ぎ、窓下に横長に配置されている。また2900系や2800系と同様、前面に貫通扉が整備されているものの、本列車では併結対応の設備は存在しないため、あくまで緊急用とされる。

全車両に前面排障器(スカート)が設置されているが、標準搭載のものに改修を加えて強化されたものが初期試作車から標準装備され、1500系では強化スカートへの換装により消滅していたスカート部尾灯兼警戒灯が復活している。2800系と相違する点として、半自動式ドア開閉ボタンは整備されておらず、乗客の個別開閉には対応しない。ただし、瀬田臨海鉄道線への乗り入れを考慮されているため、ホームドア連動装備は標準搭載する。LED式行先表示器は瀬田本線系統では初となるより見やすい新型のフルカラー式が導入された。

車両機器は3000系の高速運転のデータを元に1500系から改良が施されているものの、依然として最高速度130km/hへの引き上げは危険として、運用上の最高速度は2600系と同様に115km/hに制限されている。2次車以降、運転装置にも改良が施されており、2800系2次車や3100系との規格統一の一環としてワンハンドルマスコンを導入したほか、関南ATS設備と臨海・西京ATOの設備を同一システム上の装置に置き換え、運転システムの統一が図られている。

車内設備

車内は内板を白色系とし、床敷物には灰色を、座席表地は青色系を使用している。座席構造は側構体で支持する片持ち式ロングシート/セミクロスシートを採用している。座席本体はリサイクル性にも配慮して、座席クッション素材にポリエステル樹脂成形品を使用しているが、座り心地の改善のため、クッションの改良などを実施している。1500系と相違する点として、ドア上車内案内表示装置(LCD)は千鳥配置から全ドアに設置される形へと変更された。またLCDディスプレイも高画質化・高機能化しており、従来のディスプレイの解像度(1020x720)からフルHDディスプレイ(1920x1080)に拡大し、表示する情報も増大している。また以前は車内案内表示の情報は電車内のデータを使用しており、駅の改修などの情報は逐一更新をせねばならないほか、遅延情報等の表示もできず対応が遅れていたが、本形式からは車両に装備されているネットワーク(200Mbpsの専用LTE回線を使用)を経由してオンラインで情報を表示するようになったため、リアルタイムの処理が可能になった。これの恩恵として車内Wi-Fiの使用も可能となっている。

編成

2013年10月6日時点での運用は以下の通り。

  • 瀬田検車区所属車
←瀬田方面 鳥丘方面→
1次車 220X(Mc) 221X(M) 222X(T) 223X(Tc)
2次車 1560(Mc) 1570(M) 1580(T) 1590(Tc)
  • 新鳥丘検車区所属車
←瀬田方面 鳥丘方面→
1次車 1510(Mc) 1520(M) 1530(T) 1550(Tc)
2次車 1560(Mc) 1570(M) 1580(T) 1590(Tc)
  • 臨海車両基地所属車
←瀬田方面 鳥丘方面→
1次車 1510(Mc) 1520(M) 1530(T) 1550(Tc)
2次車 1610(Mc) 1620(M) 1630(T) 1640(Tc)

番台別概説

離合する2200系二次車と倉急1000系電車

一次車

デビュー当初に2009年5月から11月にかけて5編成4本(20両)が宝条工廠にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。所謂量産先行車であり、後述する二次車以降では廃止された試験的な機能も搭載している。改修工事後は主に瀬田第一検車区及び臨海第二検車区に配置されている。

一次車は1500系の塗装を踏襲したリバイバルカラーでの出場となり、主に瀬田本線向けに投入されたグループでもあったため倉急方面への直通運用へは原則回されない。二次車以降とは違い、スカートの改修、前面のLED幕の分離等の改修のみ施されている。尚、本列車から瀬田臨海鉄道への乗り入れに改修工事なしで対応している。二次車以降とモケットシートの形状が大きく異なる。2800系との併結が検討されていたため、前面幌の準備工事が行われている編成も存在する。

尚、二次車の投入と同時に塗装パターンを二次車以降と同一にする改修工事が行われ、2012年中にリバイバル塗装は消滅している。同時に3編成が瀬田本線運用から倉急方面向け直通運用に復帰した。最初期に投入されたため、準備工事が間に合わずLCD(車内案内表示器)のリアルタイム表示には非対応であり、1500系と同様の従来のシステムを急遽採用していた。ただし2012年に行われた改修工事によって二次車と同一のLCDが導入されたことで、この問題は解決することとなった。

二次車

瀬田臨海鉄道の吸収合併に伴って2012年8月から10月にかけて10編成4本(40両)が宝条工廠にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。塗装が2600系三次車と同一の濃い赤を基調とする新しいものに変更されているが、車体製造については一次車と変更は一切なく、内装設備の変更はあるものの、内装板についても従来と同様の仕様である。塗装及び改修工事後は主に瀬田第一検車区に配備され、2019年現在、瀬田本線及び倉急方面直通運用に主に回されている。モケットシートも換装され、3500系と同一のものに変更された。臨海鉄道の交直対応工事に伴って交直両対応の工事を施された編成(2261F)も存在する。また側面LED行先表示器の仕様が若干変更され、普通幕では灰色を表示するようになった(側面のみ)。

三次車

2017年以降、順次新造および配備されているグループ。当初は二次車から内外装ともに大幅な仕様変更が行われる予定だったが、予算の関係上で行われず、床下機器の更新等にとどまった。瀬田本線における優等種別用に8両編成6本がこれまでに配備されている。[1]

脚注

  1. 今後の2200系の配備について ニュースリリース 瀬田電気鉄道HP