「瀬田2600系電車」の版間の差分

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'''瀬田電気鉄道2600系電車'''(せたでんきてつどう2600けいでんしゃ)は、2002年2月10日に営業運転を開始した[[瀬田電鉄|瀬田電気鉄道]]の通勤形電車である。
'''瀬田電気鉄道2600系電車'''(せたでんきてつどう2600けいでんしゃ)は、2002年2月10日に営業運転を開始した[[瀬田電鉄|瀬田電気鉄道]]の通勤形電車である。
{{鉄道車両
{{鉄道車両
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==概要==
==概要==
[[瀬田1700系電車|1700系]]の後継車両として、水音車両で製造された車両である。1700系の本来の目的であった倉急烏倉線系統への直通向けに20m4ドア車両として新しく配備された。1700系とはドア位置と数が一致していないが、後継の[[瀬田2800系電車|2800系]]の登場まで、倉急線系統の主幹として運行されていた車両でもある。水音標準型そのままがベースであった1700系とは違い、この形式については水音車両が新造した形式となっている。元々は2200系と同時期にそれぞれ本線急行向けと倉急及び関南地区方面直通線向けで投入される予定だったが、2200系の投入目的が不十分と判断されたため、2600系はその両方の目的を担って投入されることとなった。
===導入経緯===
[[瀬田1700系電車|1700系]]の後継車両として、水音車両で製造された車両である。1700系の本来の目的であった倉急烏倉線系統への直通向けに20m4ドア車両として新しく配備された。1700系とはドア位置と数が一致していないが、後継の[[瀬田2800系電車|2800系]]の登場まで、倉急線系統の主幹として運行されていた車両でもある。水音標準型そのままがベースであった1700系とは違い、この形式については水音車両が新造した形式となっている。元々は2200系と同時期にそれぞれ本線急行向けと倉急及び関南地区方面直通線向けで投入される予定だったが、2200系の投入目的が不十分と判断されたため、2600系はその両方の目的を担って投入されることとなった。同時に、2200系の製造コスト増大に伴い、財政的に厳しい状況であったため、よりコストダウンが可能な車両を求めることとなった。
 
=== 車体 ===
伝統的な 20 m 級片側4扉車体を有するが、車体は従来の普通鋼製から軽量構造のステンレス製となり、大幅な軽量化と塗装工程を省略したことにより保守作業が大きく軽減された。ステンレス車体とすることで、車両重量は1700系より各車約2tの軽量化が実現されている気がする<ref>ただし、この構造は1700系にも後に採用されている</ref>。
 
外観は補強用のビード(ローラーによる断面が細い凸状のプレス加工)を極限まで減らした外板に、バランサー付きの大きな1段下降窓を備えたものとなった。この1段下降窓への設計変更は1700系の第一次改修などを踏まえたものであるが、1500系以来20m片側4扉の採用実績がなかった瀬田電鉄は、実質的に製造依頼元である水音車両に構成をほぼ委託するしかなかったため、これが踏襲されたかどうかは不明である。
 
前面は、先代の1500系と同じく、前面の窓周りを黒色でまとめた左右対称のデザインが採用されたが、前照灯のサイズが若干幅狭となった。これは2200系には受け継がれていない。また、前面にもラインカラー帯を配し、前照灯はカラー帯とほぼ同一線状に配置されている。


貫通扉が存在していたものの幌が装着できなかった既存車両の例を踏まえ、運用の柔軟性を持たせるため瀬田電鉄車としては初めて併結対応車となった。ただし、2800系や2200系は車体幅が異なるため、ホームでの安全性に問題が発生することが予想されたため、原則同じ2600系同士としか併結ができない。
==設備==
==設備==
外観は205系に酷似しているが、内部設備はほぼ209系と同等かそれ以上の新しい設備が初期から搭載している。スカートは元々の水音標準や1700系から強化された左右非対称のスカートを装備する。本列車は急行運用に投入されることを主に目的として製造されているため、2200系や2800系とは違い、拡幅車体ではない。
外観は205系に酷似しているが、内部設備はほぼ209系と同等かそれ以上の新しい設備が初期から搭載している。スカートは元々の水音標準や1700系から強化された左右非対称のスカートを装備する。本列車は急行運用に投入されることを主に目的として製造されているため、2200系や2800系とは違い、拡幅車体ではない。
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===番台別概説===
===番台別概説===
====一次車====
====一次車====
デビュー当初に2009年5月から11月にかけて5編成4本(20両)が水音車両にて新造されたグループ。所謂量産先行車であり、後述する二次車以降では廃止された試験的な機能も搭載している。改修工事後は主に瀬田第一検車区及び臨海第二検車区に配置されている。一次車は1500系の塗装を踏襲したリバイバルカラーでの出場となり、主に[[瀬田電気鉄道瀬田本線|瀬田本線]]向けに投入されたグループでもあったため倉急方面への直通運用へは原則回されない。二次車以降とは違い、スカートの改修、前面のLED幕の分離等の改修のみ施されている。尚、本列車から瀬田臨海鉄道への乗り入れに改修工事なしで対応している。二次車以降とモケットシートの形状が大きく異なる。[[瀬田2800系電車|2800系]]との併結が検討されていたため、前面幌の準備工事が行われている編成も存在する。<br>
デビュー当初に2009年5月から11月にかけて4両編成5本(20両)が水音車両にて新造されたグループ。
尚、二次車の投入と同時に塗装パターンを二次車以降と同一にする改修工事が行われ、2012年中にリバイバル塗装は消滅している。同時に3編成が瀬田本線運用から倉急方面向け直通運用に復帰した。最初期に投入されたため、準備工事が間に合わずLCD(車内案内表示器)のリアルタイム表示には非対応であり、1500系と同様の従来のシステムを急遽採用していた。ただし2012年に行われた改修工事によって二次車と同一のLCDが導入されたことで、この問題は解決することとなった。
LED式方向幕は以後の車両とは異なり三色LED式を採用している。スカートの形状が以後の新製車と異なるのが大きな特徴である。
2200系は二次車の投入と同時に塗装パターンを二次車以降と同一にする改修工事が行われたが、こちらは三次車投入時に塗装変更が行われている。また内装仕様もほぼこの量産先行車から変更がないのも特色で、当初の仕様上瀬田臨海鉄道への乗り入れには対応していない。


====二次車====
====二次車====
瀬田臨海鉄道の吸収合併に伴って2012年8月から10月にかけて10編成4本(40両)が宝条工廠にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。塗装が2600系三次車と同一の濃い赤を基調とする新しいものに変更されているが、車体製造については一次車と変更は一切なく、内装設備の変更はあるものの、内装板についても従来と同様の仕様である。塗装及び改修工事後は主に瀬田第一検車区に配備され、2019年現在、瀬田本線及び倉急方面直通運用に主に回されている。モケットシートも換装され、3500系と同一のものに変更された。臨海鉄道の交直対応工事に伴って交直両対応の工事を施された編成(2261F)も存在する。また側面LED行先表示器の仕様が若干変更され、普通幕では灰色を表示するようになった(側面のみ)。
瀬田臨海鉄道の吸収合併に伴って2012年8月から10月にかけて6両編成2本(12両)が水音車両にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。塗装が2200系二次車と同一の濃い赤を基調とする新しいものに変更されているが、車体製造については一次車と変更は一切なく、内装設備の変更はあるものの、内装板についても従来と同様の仕様である。前面強化スカートが新しいものに更新されている。塗装及び改修工事後は主に瀬田第一検車区に配備され、2019年現在、瀬田本線及び倉急方面直通運用に主に回されている。これ以降の車両は、瀬田臨海鉄道への乗り入れに対応した仕様に更新された。
 
====三次車====
瀬田本線延伸及び倉急烏倉線の砥田市延伸開通に合わせて、6両編成2本、8両編成1本(20両)が水音車両にて新造されたグループ。
二次車と特に変更点はない。
 
====四次車====
関南地区5車直通線の全線開通に合わせて、6両編成2本が瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。新造車両はなく'''実質的なリニューアル車'''で、老朽化が進んでいた一次車4本を使用し、6両編成に編成を組み直した上で、内装および外装に大きく手が加えられた。前面方向幕は2200系と同一の左右分離式に更新され、機器類も更新されている。

2024年11月20日 (水) 11:37時点における版

瀬田電気鉄道2600系電車(せたでんきてつどう2600けいでんしゃ)は、2002年2月10日に営業運転を開始した瀬田電気鉄道の通勤形電車である。

瀬田2600系電車
2600系基本編成(3次車)
(2018年5月8日 中ノ橋駅)
基本情報
運用者 瀬田電鉄
製造所 水音車両
製造年 2001年 -
運用開始 2002年2月10日
投入先 瀬田本線
主要諸元
編成 基本6両、付属2両
MT比2:3)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V交流 20,000 V (50 Hz)
架空電車線方式
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 115 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 基本編成 - 1,412名
付属編成 - 760名
編成重量 341.6 t(基本編成 - 4M6T)
163.2 t(付属編成 - 2M3T)
最大寸法
(長・幅・高)
20,000 × 2,950 × 3,640 mm
(普通車)
車体 ステンレス
台車 DT71・TR255・TR255A・TR255B・TR255C
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT75 × 4基/両
主電動機出力 140 kW (1時間定格)
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 6.06 (16:97)
編成出力 2,240 kW(基本編成 - 4M6T)
1,120 kW(付属編成 - 2M3T)
制御方式 VVVFインバータ制御
IGBT素子
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
全電気ブレーキ
抑速ブレーキ
保安装置 関南ATS-P
西京・臨海ATO(一部)
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概要

導入経緯

1700系の後継車両として、水音車両で製造された車両である。1700系の本来の目的であった倉急烏倉線系統への直通向けに20m4ドア車両として新しく配備された。1700系とはドア位置と数が一致していないが、後継の2800系の登場まで、倉急線系統の主幹として運行されていた車両でもある。水音標準型そのままがベースであった1700系とは違い、この形式については水音車両が新造した形式となっている。元々は2200系と同時期にそれぞれ本線急行向けと倉急及び関南地区方面直通線向けで投入される予定だったが、2200系の投入目的が不十分と判断されたため、2600系はその両方の目的を担って投入されることとなった。同時に、2200系の製造コスト増大に伴い、財政的に厳しい状況であったため、よりコストダウンが可能な車両を求めることとなった。

車体

伝統的な 20 m 級片側4扉車体を有するが、車体は従来の普通鋼製から軽量構造のステンレス製となり、大幅な軽量化と塗装工程を省略したことにより保守作業が大きく軽減された。ステンレス車体とすることで、車両重量は1700系より各車約2tの軽量化が実現されている気がする[1]

外観は補強用のビード(ローラーによる断面が細い凸状のプレス加工)を極限まで減らした外板に、バランサー付きの大きな1段下降窓を備えたものとなった。この1段下降窓への設計変更は1700系の第一次改修などを踏まえたものであるが、1500系以来20m片側4扉の採用実績がなかった瀬田電鉄は、実質的に製造依頼元である水音車両に構成をほぼ委託するしかなかったため、これが踏襲されたかどうかは不明である。

前面は、先代の1500系と同じく、前面の窓周りを黒色でまとめた左右対称のデザインが採用されたが、前照灯のサイズが若干幅狭となった。これは2200系には受け継がれていない。また、前面にもラインカラー帯を配し、前照灯はカラー帯とほぼ同一線状に配置されている。

設備

外観は205系に酷似しているが、内部設備はほぼ209系と同等かそれ以上の新しい設備が初期から搭載している。スカートは元々の水音標準や1700系から強化された左右非対称のスカートを装備する。本列車は急行運用に投入されることを主に目的として製造されているため、2200系や2800系とは違い、拡幅車体ではない。

2次車までは前面・側面ともに3色LED幕を搭載していたが、3次車からは2200系用のフルカラー式LED幕の改良版を搭載している。尚車内案内表示器はLED式であり、2次車からE531系と同様の2段式のものに変更されているものの、3次車以降もLCDへの置き換えは行われていない。3次車以降に出場している車両は、瀬田臨海鉄道への乗り入れに標準で対応している。

編成

2016年1月20日時点での運用は以下の通り。

  • 瀬田検車区所属車
←瀬田方面 鳥丘方面→
1次車 220X(Mc) 221X(M) 222X(T) 223X(Tc)
2次車 1560(Mc) 1570(M) 1580(T) 1590(Tc)
  • 新鳥丘検車区所属車
←瀬田方面 鳥丘方面→
1次車 1510(Mc) 1520(M) 1530(T) 1550(Tc)
2次車 1560(Mc) 1570(M) 1580(T) 1590(Tc)
  • 臨海車両基地所属車
←瀬田方面 鳥丘方面→
1次車 1510(Mc) 1520(M) 1530(T) 1550(Tc)
2次車 1610(Mc) 1620(M) 1630(T) 1640(Tc)

番台別概説

一次車

デビュー当初に2009年5月から11月にかけて4両編成5本(20両)が水音車両にて新造されたグループ。 LED式方向幕は以後の車両とは異なり三色LED式を採用している。スカートの形状が以後の新製車と異なるのが大きな特徴である。 2200系は二次車の投入と同時に塗装パターンを二次車以降と同一にする改修工事が行われたが、こちらは三次車投入時に塗装変更が行われている。また内装仕様もほぼこの量産先行車から変更がないのも特色で、当初の仕様上瀬田臨海鉄道への乗り入れには対応していない。

二次車

瀬田臨海鉄道の吸収合併に伴って2012年8月から10月にかけて6両編成2本(12両)が水音車両にて新造され、瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。塗装が2200系二次車と同一の濃い赤を基調とする新しいものに変更されているが、車体製造については一次車と変更は一切なく、内装設備の変更はあるものの、内装板についても従来と同様の仕様である。前面強化スカートが新しいものに更新されている。塗装及び改修工事後は主に瀬田第一検車区に配備され、2019年現在、瀬田本線及び倉急方面直通運用に主に回されている。これ以降の車両は、瀬田臨海鉄道への乗り入れに対応した仕様に更新された。

三次車

瀬田本線延伸及び倉急烏倉線の砥田市延伸開通に合わせて、6両編成2本、8両編成1本(20両)が水音車両にて新造されたグループ。 二次車と特に変更点はない。

四次車

関南地区5車直通線の全線開通に合わせて、6両編成2本が瀬田車両にて改修工事が行われたグループ。新造車両はなく実質的なリニューアル車で、老朽化が進んでいた一次車4本を使用し、6両編成に編成を組み直した上で、内装および外装に大きく手が加えられた。前面方向幕は2200系と同一の左右分離式に更新され、機器類も更新されている。

  1. ただし、この構造は1700系にも後に採用されている