「瀬田2200系電車」の版間の差分

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| 画像説明 = 2200系基本編成(2次車)<br />(2015年4月29日 谷沢駅)
| 画像説明 = 2200系基本編成(2次車)<br />(2015年4月29日 谷沢駅)
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| 製造数  =  
| 製造数  =  
| 運用開始 = 2010年5月4日
| 運用開始 = 2010年5月4日
| 投入先  = [[瀬田本線]]
| 投入先  = [[瀬田本線]]など
| 編成    = 基本4両、付属2両<br />([[MT比]]2:3)
| 編成    = 8両(4M4T)<br>6両 (2M4T)<br>4両 (2M2T)
| 軌間    = 1,067
| 軌間    = 1,067
| 電気方式 = [[直流電化|直流]] 1,500 [[ボルト (単位)|V]]/[[交流電化|交流]] 20,000 V (50 [[ヘルツ|Hz]])<br />([[架空電車線方式]])
| 電気方式 = 直流 1,500 V(架空電車線方式)
| 最高運転速度 = 115
| 最高運転速度 = 115
| 設計最高速度 = 115
| 設計最高速度 = 120
| 起動加速度 = 3.5
| 起動加速度 = 3.5
| 常用減速度 = 4.0
| 常用減速度 = 4.0
| 非常減速度 = 4.5
| 非常減速度 = 4.5どころではない
| 減速度  =  
| 減速度  =  
| 編成定員 = 基本編成 - 1,412名<br />付属編成 - 760名
| 編成定員 = 基本編成 - 1,412名<br />付属編成 - 760名
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| 最大寸法 = 20,000 × 2,950 × 3,640 [[ミリメートル|mm]]<br />(普通車)
| 最大寸法 = 20,000 × 2,950 × 3,640 [[ミリメートル|mm]]<br />(普通車)
| 編成長  =  
| 編成長  =  
| 車体材質 = [[ステンレス鋼|ステンレス]]
| 車体材質 = ステンレス?
| 台車    = DT71・TR255・TR255A・TR255B・TR255C
| 台車    = DT71・TR255・TR255A・TR255B・TR255C
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]] MT75 × 4基/両
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]] MT75 × 4基/両
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==概要==
==概要==
[[瀬田1500系電車|1500系]]の後継車両として、'''宝条工廠製HT1100系'''から新造された車両である。当初1500系の後継車として試験的に投入されたHT1600系ベースの[[瀬田2900系電車|2900系]]の試験走行データ及び実際の運用データを元に、原型車であるHT1100系から瀬田電鉄向けに数々の改良が初期段階から施された。瀬田電鉄のほぼ全線に配備が予定されており、すべての設備を1500系から引き続き搭載するほか、新造当初から'''関南ATSを標準搭載'''する初めての車両である。拡幅車両であるため、西京メトロへの乗り入れは現状不可能であり、メトロ乗り入れは2600系と、同じく1500系、2900系の後継として配備が予定されている[[瀬田2500系電車|2500系]]に引き継がれる予定である。
老朽化が進んでいた[[瀬田1500系電車|1500系]]の置き換え用車両として、'''宝条工廠製HT1100系'''から開発、投入された瀬田電鉄を代表する主力車両である。当初1500系の後継車として試験的に投入されたHT1600系ベースの[[瀬田2900系電車|2900系]]の試験走行データ及び実際の運用データを元に、原型車であるHT1100系から瀬田電鉄向けに数々の改良が初期段階から施された。尚本系列はJMR231系などの車体構造の設計を参考にしており、省エネルギー化と生産コスト、メンテナンスコストの大幅な削減を実現。すべての設備を1500系から引き続き搭載するほか、新造当初から'''関南ATSを標準搭載'''する初めての車両である。拡幅車両であるため、西京メトロへの乗り入れは現状不可能であり、メトロ乗り入れは2600系と、同じく1500系、2900系の後継として配備が予定されている[[瀬田2500系電車|2500系]]に引き継がれる予定である。


当初は若部駅等のターミナル駅での増結や2600系との併結も検討され、一次車の中には幌の準備工事が行われた編成も存在するが、2600系は拡幅車体ではないことなどから実現はしなかった。
運用路線は瀬田電鉄のほぼ全路線へと拡大。後に瀬田電鉄が常総急行線への乗り入れを開始したことに伴う増備により、現在では瀬田電鉄で同一系列の最多配置両数を誇る。その総生産両数は1,000両にも渡るとも言われるが、真相は不明。


2001年10月13日、瀬田電鉄は新型車両の投入を計画していると発表。この時点での車両の詳細は明かされなかったが、主に[[瀬田電気鉄道瀬田本線|瀬田本線]]向けの車両であることが発表された<ref>瀬田電鉄、更なる新車増備へ 発展の兆し - 新瀬田日報 2001年10月14日朝刊</ref>。
当初は若部駅等のターミナル駅での増結や2600系との併結も検討され、一次車の中には幌の準備工事が行われた編成も存在するが、2600系は拡幅車体ではないことなどから実現はしなかった。一次車のみ1500系の塗装パターンを踏襲した仕様で塗装が施された(リバイバル塗装)が、二次車以降は新デザインに統一されている。


2005年7月27日に瀬田電鉄は諸般の事情で前述の新型車両の導入を延期し、倉急直通線向けの異なる新型車両([[瀬田2600系電車|2600系]])を導入すると発表した。この時点でも延期した車両の列番も明かされなかった。
形式上は[[瀬田3500系電車|3500系]]や[[瀬田2600系電車|2600系]]よりも前の列番であるが、[[瀬田電鉄]]への導入車の中では本列車が最新の車両である。本系列によって実現された省エネルギー化などの技術は、後に2600系などの他の主力車両にフィードバックされ、更なる改良がなされている。設計の参考にされた231系列は通勤・近郊車を統一した設計により量産効果による省コストを実現しているが、本系列をベースとした近郊型車両の製造は計画されていない。


2009年12月15日、瀬田電鉄は延期していた新型車両の正式な導入を発表。列番は2200系となることが明かされ、20m4扉、直通線が建設中であった[[瀬田臨海鉄道]]への乗り入れにも対応する仕様となった。尚本車両の導入が二度に渡って延期され、理由として主に瀬田電鉄グループの資金難、また車両増備への反発が社内であったことが判明することとなった。
==設備==


一次車のみ1500系の塗装パターンを踏襲した仕様で塗装が施された(リバイバル塗装)が、二次車以降は新デザインに統一されている。
=== 車体設備 ===
基本的な車体構造は置き換え元である1500系と共通する部分が多い。前面のLED式行先表示器は標準では行先と種別が一体化していたが、本形式では分離し、左右に分割配置されている。これは2900系の運用時、先頭車の種別表示が見えにくく(同系列はLED式方向幕の大きさが事情により広く取れなかった)、乗客からの視認性向上を求めた声に応えたものである。初期試作車はロングシートの形状が旧式のものだったが、量産更新車からはE233系等に採用されているモケットシートとほぼ同一のものへと変更されている。また本列車には混雑緩和用の6ドア車も検討されていたが、需要の低さと利便性から却下されている。


形式上は[[瀬田3500系電車|3500系]]や[[瀬田2600系電車|2600系]]よりも前の列番であるが、[[瀬田電鉄]]への導入車の中では本列車が最新の車両である。
車体は軽量ステンレス製で、前面部にはFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製のカバーで覆う構造が用いられている。車体構造は1500系に準じたものであり、 2,950 mm の拡幅車体を採用している。また、床面高さはレール面から 1,165 mm に低減された。これにより、ホーム (1,100 mm) との段差解消と低重心化が図られている。一部SRなどの車両で採用された運転室構体への衝撃吸収構造は、西京メトロのホームドアに対応できないことから採用されていない。前照灯、尾灯は1500系と同じくHT車系列のデザインを色濃く受け継ぎ、窓下に横長に配置されている。また2900系や2800系と同様、前面に貫通扉が整備されているものの、本列車では併結対応の設備は存在しないため、あくまで緊急用とされる。


==設備==
全車両に前面排障器(スカート)が設置されているが、標準搭載のものに改修を加えて強化されたものが初期試作車から標準装備され、1500系では強化スカートへの換装により消滅していたスカート部尾灯兼警戒灯が復活している。2800系と相違する点として、半自動式ドア開閉ボタンは整備されておらず、乗客の個別開閉には対応しない。ただし、瀬田臨海鉄道線への乗り入れを考慮されているため、ホームドア連動装備は標準搭載する。LED式行先表示器は瀬田本線系統では初となるより見やすい新型のフルカラー式が導入された。
基本的な車体構造は置き換え元である1500系と共通する部分が多い。前面のLED式行先表示器は標準では行先と種別が一体化していたが、本形式では分離し、左右に分割配置されている。これは2900系の運用時、先頭車の種別表示が見えにくく(同系列はLED式方向幕の大きさが事情により広く取れなかった)、乗客からの視認性向上を求めた声に応えたものである。初期試作車はロングシートの形状が旧式のものだったが、量産更新車からはE233系等に採用されているモケットシートとほぼ同一のものへと変更されている。また本列車には混雑緩和用の6ドア車も検討されていたが、需要の低さと利便性から却下されている。


前照灯、尾灯は1500系と同じくHT車系列のデザインを色濃く受け継ぎ、窓下に横長に配置されている。また2900系や2800系と同様、前面に貫通扉が整備されているものの、本列車では併結対応の設備は存在しないため、あくまで緊急用とされる。またスカートは標準搭載のものに改修を加えて強化されたものが初期試作車から標準装備され、1500系では強化スカートへの換装により消滅していたスカート部尾灯兼警戒灯が復活している。LED式行先表示器は瀬田本線系統では初となるより見やすい新型のフルカラー式が導入された。
車両機器は[[瀬田3000系電車|3000系]]の高速運転のデータを元に1500系から改良が施されているものの、依然として最高速度130km/hへの引き上げは危険として、運用上の最高速度は2600系と同様に115km/hに制限されている。2次車以降、運転装置にも改良が施されており、2800系2次車や3100系との規格統一の一環としてワンハンドルマスコンを導入したほか、関南ATS設備と臨海・西京ATOの設備を同一システム上の装置に置き換え、運転システムの統一が図られている。


車体幅については[[瀬田1500系電車|1500系]]と同様、混雑緩和のため、2,950 mm 拡幅車体を採用している。ただし瀬田本線以外でのホーム高さへの配慮はされていない。普通車のドア位置はすべて片側4ドアである。2800系と相違する点として、半自動式ドア開閉ボタンは整備されておらず、乗客の個別開閉には対応しない。ただし、瀬田臨海鉄道線への乗り入れを考慮されているため、ホームドア連動装備は標準搭載する。
=== 車内設備 ===


車内は1500系から斬新され、ドア上車内案内表示装置(LCD)は千鳥配置から全ドアに設置される形へと変更された。またLCDディスプレイも高画質化・高機能化しており、従来のディスプレイの解像度(1020x720)からフルHDディスプレイ(1920x1080)に拡大し、表示する情報も増大している。また以前は車内案内表示の情報は電車内のデータを使用しており、駅の改修などの情報は逐一更新をせねばならないほか、遅延情報等の表示もできず対応が遅れていたが、本形式からは車両に装備されているネットワーク(200Mbpsの専用LTE回線を使用)を経由してオンラインで情報を表示するようになったため、リアルタイムの処理が可能になった。これの恩恵として車内Wi-Fiの使用も可能となっている。
車内は内板を白色系とし、床敷物には灰色を、座席表地は青色系を使用している。座席構造は側構体で支持する片持ち式ロングシート/セミクロスシートを採用している。座席本体はリサイクル性にも配慮して、座席クッション素材にポリエステル樹脂成形品を使用しているが、座り心地の改善のため、クッションの改良などを実施している。1500系と相違する点として、ドア上車内案内表示装置(LCD)は千鳥配置から全ドアに設置される形へと変更された。またLCDディスプレイも高画質化・高機能化しており、従来のディスプレイの解像度(1020x720)からフルHDディスプレイ(1920x1080)に拡大し、表示する情報も増大している。また以前は車内案内表示の情報は電車内のデータを使用しており、駅の改修などの情報は逐一更新をせねばならないほか、遅延情報等の表示もできず対応が遅れていたが、本形式からは車両に装備されているネットワーク(200Mbpsの専用LTE回線を使用)を経由してオンラインで情報を表示するようになったため、リアルタイムの処理が可能になった。これの恩恵として車内Wi-Fiの使用も可能となっている。
 
車両機器は[[瀬田3000系電車|3000系]]の高速運転のデータを元に1500系から改良が施されているものの、依然として最高速度130km/hへの引き上げは危険として、運用上の最高速度は2600系と同様に115km/hに制限されている。2次車以降、運転装置にも改良が施されており、2800系2次車や3100系との規格統一の一環としてワンハンドルマスコンを導入したほか、関南ATS設備と臨海・西京ATOの設備を同一システム上の装置に置き換え、運転システムの統一が図られている。


==編成==
==編成==

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